パッツィ・クラインはバージニア州のパターソン出身の女性カントリー歌手です。カントリーミュージックの殿堂「Grand Ole Opry」の常連で、1963年巡業移動の飛行機事故で亡くなるまで、ナッシュビルの黄金時代を代表する人気歌手でした。豊かな声域と情感溢れる歌声はいまでも多くのファンを魅了しています。
パッツィ・クラインには「Walkin' After Midnight」「I Fall to Pieces」「She's Got You」「Crazy」「Sweet
Dreams」など、数々のヒット曲がありますが、彼女が歌ったテネシー・ワルツはまた格別に素晴らしいものです。
テネシー・ワルツはテネシー州の州歌にもなっている有名な歌です。歌詩の内容は「テネシー・ワルツに合わせて私と恋人が踊っていると、古い友人を見かけたの。わたしは彼に愛すべき人を紹介し、それからふたりはダンスをし、私の友人は私から恋人を盗んだの。私はあの夜とテネシー・ワルツを忘れないわ、知っているでしょ、あの美しいテネシー・ワルツにあわせてあの人たちが仲良くしていたあの夜に、私がどんなに多くのものを失ったか。」という失恋の歌です。失恋の歌が州歌になるのもアメリカならではです。しかし、この歌の歌詞には失恋の歌をイメージ豊かに表現する仕掛けがあります。それは、「テネシー・ワルツという架空の美しい音楽」についての悲しい思い出という二重イメージの状況設定です。テネシー・ワルツは「テネシー・ワルツ」の思い出を歌うことによって単なる失恋の歌以上の豊か背景を作っているのです。
テネシー・ワルツは日本でもパティ・ペイジのポップでエレガントな歌唱スタイルがヒットしました。江利チエミさんのメリハリのある歌声もご年配の方には懐かしいと思います。また、プレスリーや多くの歌手がカバーして歌っています。
でも、今回はパッツィ・クラインも聴いてみてください。昔、ラジオではじめて聞いたとき、「これはアメリカ人の演歌だ。」と思いました。それほど情感豊かな素晴らしい歌唱力です。
下のリンクはYoutubeで聞けるパッツィ・クラインとパティ・ペイジのテネシー・ワルツです。左の歌詞の黄色の部分が少し違います。特にOnly you know(あなただって分かる)とNow I know(今のわたしには分かるの)では「告白」と「回想」のような違いがありますので、歌の印象も違ってきます。
では、聞き比べてみてください。
パッツィ・クラインのファンになったのはこの歌を聴いたからです。
パティ・ペイジはこちらで。エレガントです。
Tennessee Waltz
I was Waltzin' with my darlin'
To the Tennessee Waltz
When an old friend
I happened to see
I introduced her to my loved one,
And while they were Waltzin'
My friend stole my sweetheart from me
I remember the
night,
And the Tennessee Waltz
Only you know how much
I have lost
Yes, I lost my little darlin'
The night they were playing
The
beautiful Tennessee Waltz
Tennessee Waltz
I was dancin' with my darlin'
To the Tennessee Waltz
When an old friend
I happened to see
I introduced him to my loved one,
And while they were
dancing,
My friend stole my sweetheart from me
I remember the
night,
And the Tennessee Waltz
Now I know how much
I have lost
Yes, I lost my little darlin'
The night they were playing
The
beautiful Tennessee Waltz