ニーナ・シモン : Nina Simone – Ain’t Got No, I Got Life


Nina Simone – Ain’t Got No, I Got Life (live in London 1968)

Ain’t got no home, ain’t got no shoes
Ain’t got no money, ain’t got no class
Ain’t got no skirts, ain’t got no sweaters
Ain’t got no perfume, ain’t got no luck
Ain’t got no fate

Ain’t got no culture, ain’t got no mother
Ain’t got no father, ain’t got no brother
Ain’t got no children, ain’t got no aunts
Ain’t got no uncles, ain’t got no roots
Ain’t got no man

Ain’t got no country, ain’t got no schooling
Ain’t got no friends, ain’t got no nothing
Ain’t got no water, ain’t got no air
Ain’t got no smokes, ain’t got cookie
Ain’t got no

Ain’t got no water, ain’t got no love
Ain’t got no fate, ain’t got no luck
Ain’t got no wine, ain’t got no money
Ain’t got no fate, ain’t got no God
Ain’t got no love

Then what have I got
Why am I alive anyway?
Yeah, what have I got
Nobody can take away

I got my hair, got my head
I got my brains, got my ears
I got my eyes, got my nose
I got my mouth, I got my smile
I got say

I got my hair on my head 
I got fingers, got on my legs
I got feet, I got my toes, 
I got liver, I got my blood

I’ve got life

I’ve got laugh
I’ve got healing
I’ve got doing
I’ve got bad times too like you

I got my hair, I got my head
I got my brains, I got my ears
I got my eyes, I got my nose
I got my mouth, I got smile
I got my tongue, I got my chin
I got my neck, I got my boobies
I got my heart, I got my soul
I got my back, I got my sex

I got my hair on my head 
I got fingers, got on my legs
I got feet, I got my toes, 
I got liver, I got my blood

I’ve got life

I’ve got freedom

I’ve got life…

(意訳)

家もない、靴もない
お金もない、階級もない
スカートもない、セーターもない
香水もない、ツキもない
運命もない

教養もない、母もない
父もない、兄弟もない
子供もない、叔母もない
叔父もない、根もない
男もいない

国もない、学校もない
友達もいない、何もない
水もない、空気もない
煙草もない、お菓子もない
何もない

水もない、愛もない
運命もない、ツキもない
ワインもない、お金もない
運命もない、神様もない
愛もない

それでも、私は何か持ってるんだわ
だって、私はどうやって生きているというの?
そうよ、私は持っているのよ
誰も奪い取れないものを

私には髪がある、頭がある
私には脳みそがある、耳がある
私には眼がある、鼻がある
私には口がある、微笑みがある
私には話せる

私には髪がある、頭がある
私には指がある、ひざがある
私には足がある、かかとがある
私には肝臓がある、血がある

私には命がある

私には笑い声がある
私には癒しがある
私には行動がある
私にもあなたたちみたいに悪い時がある

私には髪がある、頭がある
私には脳みそがある、耳がある
私には眼がある、鼻がある
私には口がある、微笑みがある
私には舌がある、顎がある
私には首がある、乳がある
私には心がある、魂がある
私には背骨がある、性がある

私には髪がある、頭がある
私には指がある、ひざがある
私には足がある、かかとがある
私には肝臓がある、血がある

私には命がある

私には自由がある

私には命がある

(聞き取りによる歌詞が間違っていたらごめんなさい。)

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ニーナ・シモン(Nina Simone、1933年2月21日 – 2003年4月21日)は、ノースカロライナ州で生まれ、その音楽的才能を幼少期から認められ、周囲の支援を受けて、名門、ジュリアード学院(The Juilliard School)でクラシック音楽を学びました。その後、家計を助けるために、アイリッシュ・バーで活動を開始したのを期に、フランスの有名女優、シモーヌ・シニョレ(Simone Signoret、1921年3月25日 – 1985年9月30日)の名からとって、芸名ニーナ・シモンを名乗りました。
シモーヌ・シニョレは、フランス出身の映画監督イヴ・アレグレ (Yves Allegret)と離婚した後 、イヴ・モンタン(Yves Montand)と結婚しましたが、二人は夫婦でフランス共産党で熱心に政治活動を行いました。ニーナ・シモンの芸名は、この時期のシモーヌ・シニョレの毅然とした政治姿勢や容姿に憧れて付けられたのかもしれません。
ニーナ・シモンは、当初クラシックから活動を始めましたが、ジャズ、ブルースと、自らのルーツである音楽を志向して、より幅を拡げ、完成度を高めて行きました。また同時に、人権問題に深い関心を寄せ、名門で学んた高い教養と共に、彼女の人格の成長も楽曲にも反映しました。ニーナ・シモンの音楽は、優れたヴォーカルの才能だけで評価するものではなく、人種差別、人権問題、社会問題などから得られた、より深い人間への理解に根ざした表現力の高さにあると思います。それゆえにニーナ・シモンは、毅然とした力強さ、孤高さが、人びとを惹きつけてやまぬ、偉大な歌手のひとりして、今も愛されているのだと思います。

そんなニーナ・シモンの佳曲が、「Ain’t Got No, I Got Life」の一曲です。「何も持っていない、私には命がある(私は生きている)」。あれも欲しい、これも欲しいと思っても得られないと嘆くのではなく、プラス思考の足し算で考えれば、自分には父や母、兄弟がいる、友達がいる…、そうでなくても、こうして自由に生きているだけでも、あなたはけっして不幸ではないのです。自分自身の尺度をもって、世界を見回してみれば分かるように、世の中の「ない」ことの不幸の多さを考えることも、時には大切なことだと思います。


Nina Simone – Ain’t Got No, I Got Life (Harlem Cultural Festival 1969)
(当時の根強い人種差別よる社会状況などを反映して、歌詞は1968年の英国ライブとは変わっています。)

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