Suzanne Vega – Luka(1987)

Suzanne Vega feat DNA Tom’s Diner

スザンヌ・ヴェガ Suzanne Vega

スザンヌ・ヴェガは、1986年の「ルカ」(Luka)の大ヒットと「トムズ・ダイナー」(Tom’s Diner)で有名です。特に「ルカ」は、ドメスティク・バイオレンスという社会的テーマを取り上げて、センセーショナルでした。しかし、これについては、多くの人が書いていますので、今回は触れません。
ただ、ドメスティク・バイオレンスというテーマは、スザンヌ・ヴェガが表現したテーマのふとつにすぎません。スザンヌ・ヴェガの音楽的な変遷は、発表するアルバムするごとにスタイルが変化していると、よく言われていますが、基本的には一貫していると思います。たしかに初期のアコースティックから、ポップ調、エレクトロニック・ミュージック、ジャズなどの要素を取り入れるなど、アレンジは変わっていますが、彼女の作るメロディアスな曲調に大きな変化はないと思います。また、歌のテーマも、アメリカに住む人々に関する、彼女なりのスケッチです。特に都会とその住人をテーマは、傍観者の視線で、そこに住む人たちのドラマを書いています。「ルカ」も「トムズ・ダイナー」も傍観者の視点、あるいは客観的に描くことで、社会や人間の側面を捉えている点は、アーウィン・ショウの短編小説などを連想します。
上の4曲は、1986年の「ルカ」から、1998年の「Book And A Cover」ですが、「ルカ」「トムズ・ダイナー」の初期の都会のスケッチから、「Blood Makes Noise」「Book And A Cover」の人の心の描写まで、広く言えば、アメリカという国とアメイカ人の心象的側面を詩にしています。それもとても上質な詩です。
「ルカ」の印象が強い人には、スザンヌ・ヴェガが懐かしい歌手としか写らないかもしれませんが、その人は、スザンヌ・ヴェガが書いた短編のひとつを拾い読みしただけとも言えます。もう少し、彼女の歌を聴くことで、本当の彼女に対する正しい評価ができるとも思います。
最近、彼女の今までの集大成として、『Suzanne Vega Close-Up Vol. 1 Love Songs』が発売されています。計4枚のアルバムで、続いて『People, Places & Things,』『States of Being,』『Songs of Family』のテーマで順次発売されるとのことですので、より分りやすく、彼女の詩人、メロディメーカー、ヴォーカリストとしての資質が、再評価される日が来ると思っています。

スザンヌ・ヴェガWikipedia
SuzanneVega.com オフィシャルサイト

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