Joan Baez – Deportee

Judy Collins Deportee Plane Wreck at Los Gatos)

Arlo Guthrie – Deportee

ディポーティー:Deportee(Woody Guthrie)

この歌は、1948年のロス・ガトス峡谷で起きた飛行機事故について、ウディ・ガスリーが歌ったものです。1948年1月28日、米国移民局がチャーターした航空輸送事業者のツインエンジンのDC – 3Cが、カリフォルニア州西部のフレズノ郡のロスガトスキャニオンで墜落しました。この事故で、28人のメキシコの一時労働者と4人のアメリカ人が亡くなり、当時のカリフォルニア州で最大の航空災害となりました。しかしこの事故を報じたアメリカの新聞・メディアは、メキシコからの農場労働者の人たちについては、名前すら公表せず、アメリカ人の乗務員と警備員についてのみ報道しました。この報道姿勢はアメリカでも多くの非難を受けました。

1942年にメキシコとアメリカで一時的な契約労働に関する合意がありました。この合意は第二次世界大戦により引き起こされた労働力不足を補うための政策によるものでしたが、その解釈にあたって、極めて不当な行為が数多くありました。それは、メキシコからの一時労働者を、契約期間中には、できるだけ働かせ、契約が切れれば、賃金も払わずに不法滞在の労働者としてメキシコへ強制送還するといったものです。それでも、合法不法を問わず、アメリカへやってくるメキシコの貧しい人たちがたくさんいたので、カリフォルニア州の一部の農園は、この労働搾取を続けて発展しました。ウディ・ガスリーはその行為へのプロテストとして、この「ディポーティー」(Deportee)を作りました。
この歌に出てくる、ユアン、ロザリータはメキシコの男性女性を指しています。匿名の「ディポーティース:国外強制退去者」(Deportees)でなく、ひとり一人が名前を持っている同じ人間だという表現です。また、イエスとマリアの名前は、イエス・キリストと聖母マリアですが、その新約聖書に記されている偏見や迫害と同じ行為を、自分たちアメリカ人が行っているのだという意味があります。これは過去の話ではなくて、今でも私たちは、イエスとマリアに石を投げつけるのと、同じことをしているのではないかという隠れた表現です。
とても静かで優しい歌ですが、その悲しみと怒りのメッセージはとても力強いものです。残念ながら、このような貧しい人たちを犠牲にして、利益を貪る企業などは今もあります。また、自分では気付かなくても偏見や差別意識を持っているかもしれません。しかし、この歌が歌い継がれる限り、善意の人々の灯火は消えないのだという希望もあります。しかし、一方では昔から何も変わっていないアメリカという国の本質も見てとれます。
この歌は、ジョーン・バエズ、アーロ・ガスリー、ドリー・パートン、ザ・ハイウェイメンですが、バーズやブルース・スプリングスティーンなど、たくさんの歌手がカバーしている名曲です。

ディポーティー:Deportee(歌詞と訳詩)

The crops are all in and the peaches are rotting,
The oranges piled in their creosote dumps;
They’re flying ‘em back to the Mexican border
To pay all their money to wade back again

収穫は全て終わり、桃は腐りかけている
オレンジはクレオソートダンプに積んである
あいつらは彼らをメキシコ国境まで飛ばそうとしている
彼らが歩いてまた戻ってくるまでに、彼らの金を全部巻き上げるために

My father’s own father, he waded that river,
They took all the money he made in his life;
My brothers and sisters come working the fruit trees,
And they rode the truck till they took down and died.

私の父の父は、あの川を歩いた
あいつらは彼が一生をかけて稼いだ金を、全部奪い取った
私の兄弟たちと姉妹たちは果樹の仕事にやってくる
そして、倒れるか死ぬまでトラックに載せられた

Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
Adios mis amigos, Jesus y Maria;
You won’t have your names when you ride the big airplane,
All they will call you will be “deportees”

さようなら、わたしのユアン、さようなら、ロザリータ
アディオス、友よ、イエスとマリア
大きな飛行機に乗るとき、あなた達は名前を持たなくなるだろう
あいつらはあなた達を”deportees”(国外強制退去者)と呼ぶだろう

Some of us are illegal, and some are not wanted,
Our work contract’s out and we have to move on;
Six hundred miles to that Mexican border,
They chase us like outlaws, like rustlers, like thieves.

誰かが違法で、誰かは望んではいない、
私たちの仕事の契約が切れれば、移動しなければならない
それはメキシコ国境まで600マイルのところ
あいつらは私たちを追い回す。牛泥棒のように、無法者のように、盗人のように

We died in your hills, we died in your deserts,
We died in your valleys and died on your plains.
We died ‘neath your trees and we died in your bushes,
Both sides of the river, we died just the same.

私たちはあなたたちの丘で死んだ、私たちはあなたたちの砂漠で死んだ
私たちはあなたたちの谷で死んだ、そしてあなたたちの平野に死んだ
私たちはあなたの木の傍で死んだ、そしてあなたたちの茂みで死んだ、
川の両側で、私たちはちょうど同じように死んだ。

Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
Adios mis amigos, Jesus y Maria;
You won’t have your names when you ride the big airplane,
All they will call you will be “deportees”

さようなら、わたしのユアン、さようなら、ロザリータ
アディオス、友よ。イエスとマリア
大きな飛行機に乗るとき、あなた達は名前を持たなくなるだろう
あいつらはあなた達を”deportees”(国外強制退去者)と呼ぶだろう

The sky plane caught fire over Los Gatos Canyon,
A fireball of lightning, and shook all our hills,
Who are all these friends, all scattered like dry leaves?
The radio says, “They are just deportees”

飛行機はロス・ガトス峡谷の上で火災を起こした
光り輝く火の玉は、私達の丘を揺すぶった
枯葉のように散らばった、あの友たちみんなは誰だ?
ラジオは言った「彼らはただの”deportees”(国外強制退去者)です。」

Is this the best way we can grow our big orchards?
Is this the best way we can grow our good fruit?
To fall like dry leaves to rot on my topsoil
And be called by no name except “deportees”?

これが私達が大きな果樹園を広げていくためにできる、最善の方法なのですか?
これが私達が良い収穫を得るためにできる、最善の方法なのですか?
枯葉のように落ちて、地表で腐ることが
そして”deportees”(国外強制退去者)と呼ばれる以外に知らされないことが

Deportee (Plane Wreck at Los Gatos)Wikipedia
ロスガトスキャニオンの飛行機事故に関する新聞アカウントの一部(英文)
ニューヨークタイムズ紙、1948年1月29日
サンフランシスコクロニクル、1948年1月29日
サンフランシスコクロニクル、1948年2月14日

2 thoughts on “「ディポーティー」[歌詞和訳] : Deportee (Plane wreck at Los Gatos)”

  1. ぱたりろさん

    温かいコメントありがとうございます。そしてあなたがこの歌を好きになってくれて幸せです。

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