予告編:Trailer

サウンドトラック:Journey to the Center of the Earth-Suite (Bernard Herrmann)

監督 ヘンリー・レヴィン
製作 チャールズ・ブラケット
脚本 ウォルター・レイシュ、チャールズ・ブラケット
出演者 パット・ブーン、ジェームズ・メイソン、アーレン・ダール
音楽 バーナード・ハーマン
撮影 レオ・トーヴァー
編集 スチュアート・ギルモア、ジャック・W・ホームズ

「地底旅行」(1865)はジュール・ヴェルヌの(1828-1905)の空想科学小説を代表するもののひとつです。
原作は、ハンブルクのヨハネウム学院のオットー・リデンブロック教授と甥のアクセルが、アイスランドの案内人ハンスと共に、アイスランドの死火山スネッフェルス山(Der Snæfellsjökull)からシチリアのストロンボリまでの、約4,000キロの地球内部を旅する物語です。小説の4割は、16世紀のアイスランドの錬金術師アルネ・サクヌッセンムの残した暗号解読と、アイスランドまでの旅などが綴られています。そして2割が地底世界までの旅、残り4割が地底世界での冒険と帰還です。全編を通して、ジュール・ヴェルヌの博識と想像力の豊かさ、読者の知的好奇心を刺激して読みはじめたら一気に読み通したくなる物語性がこの作品の魅力です。地底世界の冒険談が興味を引きがちですが、そこに至るまでのプロセスがこの物語の面白さでもあります。ハンブルクからアイスランドまでの旅の部分は旅行記のようで、見知らぬ地への興味を駆り立てます。また、スネッフェルス山から地底世界に至る、迷路のような地下の旅の描写も、当時の地質学や鉱物学の知識をふんだんに入れながら、物語にリアリティを与えています。
1959年製作の20世紀フォックス映画では、リデンブロック教授をイギリス人に、甥のアクセルを教授の教え子アレックに、カーラ・ゲタボルグという未亡人を同伴し、アルネ・サクヌッセンムの子孫が一行を追跡するという設定に変えて、物語に人間的ドラマを盛り込んでいます。この1959年版はほどよく原作の雰囲気を残して、一級の娯楽作品にしているところも好感が持てます。2008年版は冒険活劇、ゲーム性が強いものですが、これも楽しい娯楽作品となっていました。
よくこのような娯楽作品はB級映画だと言って、評価しない人がいますが、映画に優劣を付けるのは、その作品がどれだけ人の心に残るかです。視野が狭くて独りよがりな社会派映画よりも、どれほどB級映画と呼ばれるものに良い作品があるかしれません。それはちょうど、ジュール・ヴェルヌの作品が文学評論家や文学史家から、長らく文学的評価を得られなかったことと似ていますが。

A Journey to the Center of the Earth:Wikipedia
地底旅行:Wikipedia
地底探検 (1959年の映画):Wikipedia
Snæfellsjökull:Wikipedia ドイツ語

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