Prokofiev – Peter And The Wolf

「ピーターと狼」(A musical tale Op.67. Peter and the Wolf.)は、ロシアのセルゲイ・プロコフィエフ(S.Prokofiev)が作曲したナレーターつきの「子供のための交響的物語」です。オーケストラの楽器が登場人物に割り当てられ、物語と情景をイメージさせます。そして具体的な物語をナレーターが進行させます。今で言えば、ドラマのサウンドトラックとも言えますが、この作品は音楽がナレーションをサポートするのではなく、音楽が主体で、それをナレーションがサポートしています。子供のクラシック音楽入門・情操教育を目的としたものですが、大人でも充分に楽しめる作品です。

登場人物と楽器の割り当ては次のとおりです。
ピーター(弦楽合奏) お祖父さん(ファゴット) 小鳥(フルート) アヒル(オーボエ) 猫(クラリネット) 狼(3本のホルン)猟師の撃つ鉄砲(ティンパニやバスドラム) ナレーター

「ピーターと狼」短編アニメ

2006年に製作され、2008年の米国アカデミー賞短編アニメーション賞に輝いた、イギリスのスージー・テンプルトン監督(Suzie Templeton)の「ピーターと狼」です。ポーランドのスタッフと共に作られた人形アニメーション作品です。東欧の伝統的な人形アニメーションの技術と現代的な映像効果が見事に融合した作品です。プロコフィエフの設定・ストーリーを少し変えていますが、こちらのほうがテーマが深くなっているように思います。また、ナレーションが無いだけ音楽とストーリーがマッチしています。この緻密で繊細なストップモーション・アニメの映像と本物のオーケストラ演奏がコラボレーションすれば、新しい古典となるのではないでしょうか。

蛇足です。よく人形アニメーションを見て、背景が動かない、リアルさに欠けるという人がいますが、それなら実写にすればいいのです。しかし、人形アニメーションは完全な自然の模倣ではなくて、選択された自然の模倣です。全てが作者により意図されたもので、そこに創造性があり、作者が伝えようとするメッセージがあります。背景が動かないのは、そこに伝えるべきことがないからです。ですから風に木の葉が揺れ、空に雲が流れる必要はありません。これは他のアニメーションでも同様です。だからこそ、アニメーションは子供にとっても大人にとっても、印象深く分りやすい作品を作ることができるのです。たまに、こんな的外れなことを言う人、いますよね?

Short film – Peter and Wolf (2008)

ピーターと狼Wikipedia
BREAKTHRU FILMS公式サイト

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