RAIN AND TEARS – APHRODITE’S CHILD

Aphrodite’s Child-Rain And Tears(スタジオライブ)

アフロディテス・チャイルドは、1967年にヴァンゲリス(Vangelis)、デミス・ルソス(Demis Roussos)、ルカス・シデラス(Loukas Sideras)、Anargyros “Silver” Koulourisの4人で結成されたギリシャのロックバンドです。当時のギリシャはクーデターによる軍事独裁政権の成立と、その反対勢力への弾圧と抵抗により政情が不安定になっていたため、グループはパリで活動を始めました。そして1968年アルバム「エンド・オブ・ザ・ワールド」 (End of the World)をリリース、シングルカット「雨と涙」(RAIN AND TEARS)がパリを中心にヨーロッパで大ヒットしました。
よく、その余波で日本でもヒットしたと書かれていますが、日本の何処でヒットしたのか分りません。1968年(昭和43年)はグループサウンズと歌謡曲の全盛時代で、この歌を友人に聴かせても殆ど知っている者がいない程度のもの、アルバムジャケットも陳腐なデザインで、レコード会社の力の入れようが想像できます。アフロディテス・チャイルドにしても、解散後のヴァンゲリスとデミス・ルソスの活躍があってようやく知られるようになったと思います。(ヴァンゲリスとデミス・ルソスについては、あらためて紹介したいと思います。)ヨーロッパで1曲ヒットしたからといって、ギリシャのロックバンドを売り出すほどレコード会社は甘くはありません。しかし「エンド・オブ・ザ・ワールド」のアルバムは、洗練さには欠けているいるものの、宝石の原石といった趣を持った名盤でした。

「雨と涙」は独特のパフッエルベルのカノンを引用したメロディとアレンジがデミス・ルソスの抑揚ある歌声とマッチして、とても好きな歌なので紹介します。と言っても簡単な英語の歌詞なのに意味はよく分りません。このよく分らない抽象的あるいは象徴的な歌詞がまた良いのですが、無粋ながら少し解釈してみます。
この後は勝手な個人的解釈です。

まず最初の節は、「雨も涙も、水のようなもので、どちらも辛いことでは同じ。だけど太陽の下、他人が見ている前では何もないかのように振舞っていないと、余計に傷つくことになる。」
2番目の節は、「冬の雨に濡れたときは、泣いていてもただの雨だと、自分を繕い、言い訳もできる。」
3番目の節は、「それでも私はあなたの悲しむ姿を何度も見て知っています。」
4番目の節は、最初の節の繰り返し
5番目の節は、「私はずっとあなたを見守ってきて、あなたを愛している。その答えが欲しい。」
6番目の節は、「他人の前で、自分の悲しみを曝け出すことで、心に希望を感じることも出来るだろう。」
7番目の節は、「雨と涙、両方とも疎ましい。私を太陽の下にいるような明るい気持ちにしてくれないから。」
最終の節は、最初の節の繰り返し
で、やはりこれは報われぬ愛の歌、失恋の歌と言えます。この詩の巧みなところは、最初と最後の節は言葉は同じでも、言っている相手が違って聞こえるところです。最初は密かに愛する人に対して、そして最後は愛が報われない自分に対しての言葉だと思いませんか?すると4番目の節は「私とあなた」に共通で、相手と自分に対しての言葉ということかもしれません。「Rain and tears are the same, but in the sun you’ve got to play the game.」の言葉が、愛する人を慰めているようでいて、実は片思いの自分に向けたものだと分ると、この歌から伝わる哀愁がより理解できます。

雨と涙(RAIN AND TEARS:歌詞・訳詞)

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

When you cry in winter time,
you can pretend
it’s nothing but the rain.

冬の間にあなたが泣くときは
あなたは振舞える
それはただの雨だと

How many times I’ve seen
tears coming from your blue eyes.

私は何度見たことだろう
涙があなたの青い目に溢れるのを。

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

(instrumental break)

Give me an answer of love,
I need an answer of love.

私に愛の答えを教えてください。
私は愛の答えがほしい。

Rain and tears in the sun
but in your heart
you feel the rainbow waves.

太陽の下の雨と涙
でもあなたの心では
あなたは虹の波を感じている。

Rain and tears both I shun,
for in my heart
there’ll never be the sun.

雨と涙どちらも私は嫌い、
私の心には
けして太陽を現さないから。

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

アフロディテス・チャイルドWikipedia
ヴァンゲリスWikipedia
デミス・ルソスWikipedia(英語)

0 thoughts on “「雨と涙」アフロディテス・チャイルド:RAIN AND TEARS – APHRODITE’S CHILD”

  1. きみふるさん

    コメントありがとうございます。きみふるさんと私はきっと同年代ですね!
    私は当時2,000円の大枚を叩たき出して、この輸入版LPレコードを買って、日がな一日繰り返し聴いていました。レコード店の店員さえ知らなかったアルバムを見つけた時の喜びは、今でも忘れられない思い出です。
    ギリシャ、地中海地方の光と影が投影されているような、哀愁を帯びたエキゾチック曲調は今でも色あせない魅力があります。個人的な感想を敢えて言えばこの曲は、アフロディテス・チャイルド、ヴァンゲリスとデミス・ルソスにとっても、最初で最高の名曲だと思っています。

  2. 今も大好きな曲です。
    仰るように当時わが国ではグループサウンズが全盛でタイガースやテンプターズ、洋楽ではウォーカーブラザーズ、モンキーズが大人気でした。
    「雨と涙」は当時のラジオで毎週土曜日に放送されていたポップス・ベスト20(地方のラジオ番組です)でわずか1~2週ほど十数位にランクインされただけなので、ほとんどの人が知らないと思います。
    ただ私はその曲を聴いて凄く気になりレコード店で購入(当時中学生の私にとって370円のレコードは大金でした)。しばらくは毎日聴いていました。
    後でクラシックのカノンを題材にした曲だと知り、クラシックを聴くようになったきっかけの曲でもあります。
    あれから50年も経ちますが全く色あせない名曲だと思います。

  3. 私が「雨と涙」という曲を知ったのは、今から約30年前にポールモーリアグランドオーケストラのLP盤の中の1曲からです。元になった曲は、おそらくヨハンパフェルベルのカノンだと思われます。
    パフッエルベルのカノンは、大変有名な曲で著名な音楽家が手を変え品を変え、色々な曲名で発表
    しておりCMにも取り上げられる程です。もちろんアフロディテス・チャイルドの曲や歌詞も秀逸で、
    感動と共に懐かしさが込み上げました。

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