Sunset Boulevard Trailer

Sunset Boulevard (1950) music from Salome by Richard Strauss

サンセット大通り(Sunset Boulevard)は、ビリー・ワイルダー監督の1951年アカデミー監督賞を受賞したハリウッド・スキャンダルを描いた社会派映画です。ストーリーは往年の無声映画時代の大女優による殺人事件の顛末で、当時の映画界を揺るがせた衝撃作です。もちろんストーリーはフィクションなので、ハリウッドという華やかな世界の裏側にも、人間の葛藤、欲望などがあることを描いています。但しこの映画は単なるスキャンダル以上に人間のある種の悲しさがあります。主人公の女優ノーマ・デズモンドの過去を背負った生き方の哀しみに同情さえ覚えるのは、脚本の巧みさでもあります。

この映画が作られた時代背景には、当時の東西冷戦構造が確立したことと、その影響によるいわゆる「赤狩り」(Red Scare)があります。1950年2月のアメリカ合衆国上院でのジョセフ・レイモンド・マッカーシーの演説に端を発したマッカーシズム(McCarthyism) のよる「赤狩り」の風潮は、ハリウッドの映画関係者にも大きな影響を与えました。内部告発による追放などは表面的な事柄も重要ですが、映画製作のテーマも慎重に選ばざるを得なくなりました。そこで「赤狩り」・内部告発の国民的関心を満たし、且つ政治的でない社会問題として取り上げられたのがスキャンダル映画です。同年の「イヴの総て」(イヴのすべて、All About Eve)もブロードウェイの裏側を描いてアカデミー作品賞など6部門を獲得しています。
「イヴの総て」のベティ・デイヴィス(Bette Davis)とグロリア・スワンソン(Gloria Swanson)のどちらかがアカデミー主演女優賞と予想されていましたが、映画「ボーン・イエスタデイ」(Born Yesterday)に主演したジュディ・ホリデイ(Judy Holliday)が受賞する意外な結果となりました。それはともかく、ベティ・デイヴィスとグロリア・スワンソンの演技は必見です。特にこの「サンセット大通り」のグロリア・スワンソンは圧倒的な存在感で、この女優なくしてこの映画の価値はないと言ってようほどの名演です。

グロリア・スワンソンは伝説的なハリウッドのスター女優で、1923から1925年に週給2万ドルとっていたという伝説は有名で、戦後のベティ・デイヴィスは週給4千ドル(年40週制)、クラーク・ゲイブルは、週給6,200ドル(別に利益配分つき)、当時の貨幣価値、税制を考えると途方も無い金額です。年間100万ドルをとることは、100万ドル使うためとも言われた豪快な女優でもあり、数々のよきハリウッドの豪華なトップ女優にまつわるエピソードはたくさんあります。また、私生活でも恋多き女性で、5度の結婚をしています。かってエリザベス・テイラーが20歳のときに、53歳のグロリア・スワンソンの恋人を取られるのではないかと気をもんだというゴシップもありました。そんなグロリア・スワンソンが「サンセット大通り」で落ちぶれたサイレント映画の大女優の役、ともすれば自分の偉大な経歴を壊しかねない役を引き受けたのは、やはり女優としての自負だと思います。そしてその自負、心意気に賛同して有名監督セシル・B・デミルやエリッヒ・フォン・シュトロハイム、バスター・キートンなどの有名俳優が助演として参加しました。グロリア・スワンソンの主演とこうした助演により、当初のハリウッド・スキャンダル映画という企画以上に、グロリア・スワンソンへのオマージュという意味をこの映画は持ちました。そしてその期待を補って余りある名演技は女優魂と言うのでしょうか、グロリア・スワンソンの存在の大きさをハリウッドに見せつけ、さらに彼女を伝説的な女優にしました。

Sunset Blvd (1950)- Last Scene

グロリア・スワンソンの壁紙1

グロリア・スワンソンの壁紙2

グロリア・スワンソンの壁紙3

グロリア・スワンソンの壁紙はこちらからどうぞ。

サンセット大通り (映画)Wikipedia
グロリア・スワンソンWikipedia
Wikipediaに「週に100万ドル稼ぎ、100万ドル使うスターと呼ばれた。」とあるのは、もちろん間違いです。正しくは上の記事のとおりです。

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