The Snow Queen (1985)

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)の「雪の女王」(SNEDRONNINGEN/The Snow Queen)は、雪の女王につれて行かれた友達の少年カイ(Kay)を捜して旅をする少女ゲルダ(Gerda)と、旅の途中で彼女を助ける人々やカラスなどとの出会いの物語です。

この物語には、「悪魔の作った鏡の欠片」やゲルダが出会う人々なのに、いろいろな寓意があります。そしてそれは説明的なものではなく、子供の豊かな感受性へのアンデルセンの語り掛けでもあります。映画やTVの無かった時代には、童話や昔話は貴重な人生の疑似体験としての役割がありました。アンデルセンの童話は、「マッチ売りの少女」(The Little Match Girl)に代表されるように、初期から中期の物語は現世よりも来世には救いや幸せがあるという、無慈悲な現実社会への批判がありますが、この物語には子供でも分るように「悪魔の作った鏡の欠片」のエピソードで人々の偏見や善悪を語り、ゲルダの旅のエピソードで人々の善意と、善意を得られる力強さなどを語っています。ですからこの物語は、現実の社会へ旅立つ子供たちに向けたアンデルセンの指針と教訓の物語だとも言えます。そしてそのキーワードが「永遠」”eternity”であり、薔薇の花の寓意、”The rose in the valley is blooming so sweet, And angels descend there the children to greet.”の言葉が意味することです。

「雪の女王」は、何度か映像化されていますが、1957年にソビエト連邦(現ロシア)のソユーズムリトフィルム製作のアニメーション作品「Снежная королева / Snezhnaya koroleva」が有名で、日本のアニメーションなどにも大きな影響を与えています。
実写版では、BBCのアニメーションとの合成作品や、2005年のイギリス/カナダ合作のTV作品がありますが、個人的には1966年のソビエト連邦(現ロシア)のLenfilm Studioが製作したものが良作だと思います。ゲルダが裸足でないのが、少し残念ですが、当時のソビエト連邦の体制化での作品であることを考えると、明るい娯楽性があるところも好きな理由です。

雪の女王:Wikipedia
The Snow Queen:Wikipedia
青空文庫「雪の女王」(SNEDRONNINGEN):楠山正雄訳
Literature Network » The Snow Queen
Internet Movie database:Snezhnaya koroleva (1966)

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