マンチェスターとリバプール(Manchester & Liverpool:1968)は、「恋はみずいろ」の作者として有名なフランスのポップスの作曲家、アンドレ・ポップ(Andre Popp:1924-)の作品です。フランスではマリー・ラフォレ(Marie Laforêt:1939-)が失恋の悲しみを歌ったものがヒットし、イギリスではスコットランド出身のグループ「ピンキーとフェラス」(Pinky & The Fellas)のデビュー曲がヒットしました。日本では「ピンキーとフェラス」が洋楽としてヒットし、岩谷時子さんが訳詞をした大木康子さんのカバーが続きました。岩谷時子さんの訳はマリー・ラフォレが歌ったフランス盤を元にしたものです。原曲の歌詞のポイントであるイギリス的な要素と、フランス語のジュテーム(Je t’aime)の言葉をそのままにした感覚は、やはり名訳です。
マリー・ラフォレの「マンチェスターとリバプール」は、二つの都会とそこでの失恋を歌ったものです。「雨の中」「霧の中」という言葉がイギリスの雰囲気と失恋の悲しみを巧く現しています。リバプールと海それと霧の中で見えなくなるというのは、港町であるリバプールから船に乗って去ってゆくイメージのようです。

ピンキーとフェラスの「マンチェスターとリバプール」は、二つの都市そのものについての歌になっています。サッカー・チームでも有名なマンチェスターとリバプールは、有名なジョージ・スチーヴンソン(George Stephenson:1781-1848)が発明した世界初の蒸気鉄道による「リバプール・アンド・マンチェスター鉄道」(L&MR: Liverpool and Manchester Railway)が敷かれた産業革命発祥の地です。リバプールはイギリスの綿織物を世界に輸出した都市でもありました。(今はきれいな都市ですが)そのような産業都市は観光都市と違ってロマンチックな雰囲気もなく、住みにくいところのはずですが、そこで生まれ育った人たちにとっては、代え難い故郷であるという内容の歌です。この歌詞も都会が故郷である人にとっては味わい深いものだと思います。

Marie Laforêt – Manchester et Liverpool

Manchester et Liverpool
Je me revois flânant le nom des rues
Au milieu de cette foule
Parmi ces milliers d’inconnus

Manchester et Liverpool
Je m’en allais dans tous les coins perdus
En cherchant ce bel amour
Que près de toi, j’avais connu

Je t’aime, je t’aime
Que j’aime ta voix qui me disait
Je t’aime, je t’aime
Et moi, j’y croyais tant et plus

Manchester est d’humeur triste
Et Liverpool vient pleurer sur la mer
Je ne sais plus si j’existe
Les bateaux blancs craignent l’hiver

Manchester est sous la pluie
Et Liverpool ne se retrouve plus
Dans la brume d’aujourd’hui
L’amour, lui aussi s’est perdu

Je t’aime, je t’aime
J’écoute ta voix qui me disait
Je t’aime, je t’aime
Et je n’y croirai jamais plus

Lalalalalala…

意訳

マンチェスターとリバプール
私は思い出のある名前の通りを歩いている
この群衆の中
知らないたくさんの人ごみの中を

マンチェスターとリバプール
私はどこまでも行って来ました
失くしてしまった美しい愛を求めて
私が知っていたあなたを

愛しています、愛しています
独り言の、あなたの声
愛しています、愛しています
私は繰り返し、何度も思ったの

マンチェスターは悲しみを感じて
リバプールは、海の上で泣いている
どうしていいか分らない
白い船は冬を恐れている

マンチェスターは雨の中
そして、リバプールは、もう見つからない
今日の霧の中
愛も失ってしまった

愛しています、愛しています
独り言の、あなたの声に耳を傾ける
愛しています、愛しています
あなたが居ないのは分っているけれど

Lalalalalala …

PINKY & THE FELLAS – MANCHESTER & LIVERPOOL

Manchester and Liverpool
may not seem cities for romatic fools
Bustling feet and dusty streets
And people living for each day.

But behind the smoke and grind
a great big city’s beating heart you’ll find
You may roam but it’s still home
Although you travel far away

A city, a city may not be so very pretty.
But to be back, a smokestack
can be a welcome sight to see.

Manchester and Liverpool
so noisy, busy and so typical
Millions there with hopes and cares
And happiness is their own aim

In New York and Sydney too
The whole world over, it is just as true
where you start is in your heart
And there it always will remain

A city, a city may not be so very pretty.
But to be back, a smokestack
can be a welcome sight to see.

Manchester and Liverpool
La la la la la la la ..

意訳

マンチェスターとリバプール
ロマンチックなお馬鹿さんに向いた都会じゃないみたい
忙しない足取りと埃っぽい通り。
その日のため生きている人たち

でも煙と石炭片の後ろには
偉大な大都会の鼓動をあなたは見つけるわ
放浪してもいいけど そこが故郷
どんなに遠くに旅しようとも

都会、都会ってそんなにきれいじゃないけど
帰って来ると 煙突が
おかえりって挨拶してるよう

マンチェスターとリバプール
とても騒がしくて、忙しくて、とても典型的な
何百万の人が希望と苦労と一緒に
幸せになろうとしているわ

ニューヨークやシドニーだって同じよ
世界中どこだって 本当のことよ
あなたのスタートしたところは、あなたの心の中
いつまでも残っているのよ

都会、都会ってそんなにきれいじゃないけど
帰って来ると 煙突が
おかえりって挨拶してるよう

マンチェスターとリバプール
ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ...

Franck Pourcel – Manchester et Liverpool

アンドレ・ポップ:Wikipedia
André Popp:Wikipedia
Marie Laforêt:Wikipedia フランス語

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です