アル・ボウリィ(Albert Allick “Al” Bowlly:1898–1941)は当時ポルトガル植民地であったモザンビークで生まれ、ジャズバンド歌手としていろいろな国を回った後に、イギリスでレコード・デビュー、アメリカ進出により1930年代を中心にして、数多くのレコーディングを行い、艶のある歌唱で大成功をおさめました。1930年代は蓄音機の歴史の中でも全盛を極めた頃で、この家庭への普及もアル・ボウリィの人気の拡大に繋がったのだと思います。

「真夜中に星々と君と」(Midnight, the Stars and You:1932)は、レイ・ノウブル楽団の専属であったアル・ボウリィが歌ってヒットした1930年代を代表するダンス・ミュージックです。真夜中の星降る下でのランデブーと甘いロマンス、フランス語由来のランデブー(rendez-vous)という言葉も当時は新鮮な響きだったのだと思います。
この歌はスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick:1928-1999)の映画「シャイニング」(The Shining:1980)のエンド・タイトル・ミュージックとして有名です。キューブリックは「2001年宇宙の旅」での「美しき青きドナウ」、「博士の異常な愛情・・・」での「ジョニーが凱旋するとき」、「時計仕掛けのオレンジ」での「雨に唄えば」のように、彼自身の映画に独自の音楽センスでサウンド・トラックを使いましたが、誰もが知っている楽曲や歌を微妙にミスマッチな感覚で使って、それがかえって印象深いシーンになっていました。ただこの「真夜中に星々と君と」のようなロマンチックな歌にホラーの印象を残してしまうという弊害もありました。

記憶にあるものは古くなり、記憶に無いものは新鮮に感じます。聞いたこともないのに古いと耳を傾けぬ人もいます。映画「シャイニング」が作られた1980年にはとてもノスタルジックな音に聞こえましたが、多くの若い世代が知らぬ今では、この歌はとても新鮮に聞こえるのではないでしょうか?


Ray Noble and Al Bowlly – Midnight, the Stars and You
Words & Music by Jimmy Campbell, Reg Connelly & Harry Woods

midnight with the stars and you
midnight and a rendez-vous

your eyes held a message tender
saying “I surrender all my love to you”

midnight brought us sweet romance
I know all my whole life through

I’ll be remembering you
whatever else I do

midnight with the stars and you
midnight with the stars and you
midnight and a rendez-vous

your eyes held a message tender
saying “I surrender all my love to you”

midnight brought us sweet romance
I know all my whole life through

I’ll be remembering you
whatever else I do

midnight with the stars and you


Al Bowlly – Guilty(1931)
アル・ボウリィ初期のヒット曲「ギルティ」です。


Al Bowlly – Heart & soul
(words by Frank Loesser, music by Hoagy Carmichael)
アル・ボウリィの「ハーツ&ソウル」を、1961年4月にニューヨークのボーカル・グループ、ザ・クリフトーンズ(The Cleftones)がカバーして大ヒット、彼らの代表曲となりました。

Heart and soul, I fell in love with you
Heart and soul, the way a fool would do,
madly
Because you held me tight
And stole a kiss in the night

Heart and soul, I begged to be adored
Lost control, and tumbled overboard,
gladly
That magic night we kissed
There in the moon mist

Oh! but your lips were thrilling, much too thrilling
Never before were mine so strangely willing

But now I see, what one embrace can do
Look at me, it’s got me loving you
madly
That little kiss you stole
Held all my heart and soul

Al Bowlly:Wikipedia

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