セルタブ・エレネル:Sertab Erener – One More Cup of Coffee
トルコの有名歌手セルタブ・エレネルです。アレンジはより中近東風になり、とてもエキゾチックなものになっています。

Frazey Ford – One More Cup Of Coffee
Frazey Fordのデビューアルバム[Obadiah]に収録されています。落ち着いたアレンジが彼女の個性的で、どこか儚げな歌声にマッチした味わい深いカバーです。

Bob Dylan – One More Cup of Coffee
この動画のタイトルにバック・コーラスにジョーン・バエズ(Joan Baez)の記述がありますが、正しくはエミルウ・ハリス(EmmyLou Haris)です。

Your breath is sweet
Your eyes are like two jewels in the sky.
Your back is straight, your hair is smooth
On the pillow where you lie.
But I don’t sense affection
No gratitude or love
Your loyalty is not to me
But to the stars above.
One more cup of coffee for the road,
One more cup of coffee ‘fore I go
To the valley below.
Your daddy he’s an outlaw
And a wanderer by trade
He’ll teach you how to pick and choose
And how to throw the blade.
He oversees his kingdom
So no stranger does intrude
His voice it trembles as he calls out
For another plate of food.
One more cup of coffee for the road,
One more cup of coffee ‘fore I go
To the valley below.
Your sister sees the future
Like your mama and yourself.
You’ve never learned to read or write
There’s no books upon your shelf.
And your pleasure knows no limits
Your voice is like a meadowlark
But your heart is like an ocean
Mysterious and dark.
One more cup of coffee for the road,
One more cup of coffee ‘fore I go
To the valley below.

今日はボブ・ディランの誕生日でもあるので、少し関連記事を書きました。

「コーヒーもう一杯」(One More Cup of Coffee)は、ボブ・ディラン(Bob Dylan:1941年5月24日-)が1976年にリリースしたヒット曲「ハリケーン」(Hurricane)を含むアルバム「欲望」(Desire)に収録されている曲です。ボブ・ディランの曲は数多くカバーされていますが、この曲のカバーにも良いものがあるので、掲載しました。

One More Cup of Coffeeの歌詞は美しく神秘的な女性との別れを少し難解な比喩的表現で書いています。この曲を単独で聴くと、女性との別れと「下の谷」(the valley below)への旅立ちの前にもう一杯のコーヒー(One More Cup of Coffee)を求める意味が分りづらいと思う人も多いと思います。
アルバム「欲望」(Desire)の比喩的表現はボブ・ディランの作品の中でも奇抜で難解であることは有名で、多くの収録曲に意味不明の部分が残されたままです。それでもこのアルバムがボブ・ディランにとっても、それまでのアルバム・セールスを凌いでヒットしたのは、ジャック・レヴィ(Jacques Levy)との共作曲による新境地とスカーレット・リヴェラ(Scarlet Rivera)のヴァイオリンなどを加えた大胆なアレンジの成功、そして難解ではあるものの、聴く人の心の内に響くものがある歌詞、その理性ではなく感覚的な言語表現にあったのだと思います。

One More Cup of Coffeeの「下の谷」(the valley below)は直感的に「死の谷」、人によっては「孤独の谷」(Lonesome Valley、聖書のダビデの経験-詩篇23篇にある死の影の谷)の宗教的イメージを連想させます。そうでなくとも「下の谷」を行くことは孤独へ踏み出す決意のような感情が感じられると思います。
One more cup of coffee for the road,
One more cup of coffee ‘fore I go
To the valley below.
(もう一杯のコーヒーを旅のために
もう一杯のコーヒーを行くために
谷の下へと)

この曲を生んだ当時のボブ・ディランの内面を窺わせる曲が、同じアルバムに収録された「イシス」(Isis)や「オー、シスター」(Oh, Sister) 、サラ(Sara) です。どれも当時の妻であったサラ・ディランからインスピレーションを受けたもので、時には宗教的な感情をもってひとりの愛する女性への崇拝、嫌悪、愛惜が混在しています。特に「サラ」は妻の名前をそのままタイトルにして、それまでの彼の曲にはないほどに、心のままに切ない想いを歌っています。
しかしその反面で「オー、シスター」やこの曲で別れを予感した詩を書きました。その予感が現実となる時、ボブ・ディランは「一杯のコーヒー」、最後の絆となる何らかの証を求めたのだと思います。
アルバム「欲望」は20世紀アメリカの偉大なイコンの人間的な内面を窺わせる作品でもありました。

ボブ・ディラン:Wikipedia
Sara Dylan:Wikipedia
セルタブ・エレネル:Wikipedia
ザ・ホワイト・ストライプス:Wikipedia

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