Rita Coolidge – I’ll Be Your Baby Tonight


ノラ・ジョーンズ:Norah Jones – I’ll be your baby tonight

Bob Dylan – I’ll Be Your Baby Tonight

Close your eyes, close your door
You don’t have to worry any more
I’ll be your baby tonight.

Shut the light, shut the shade
You don’t have to be afraid
I’ll be your baby tonight.

Well, that mockingbird’s gonna sail away
We’re gonna forget it
That big, fat moon is gonna shine like a spoon
But we’re gonna let it
You won’t regret it.

Kick your shoes off, do not fear
Bring that bottle over here
I’ll be your baby tonight.

ボブ・ディランの「I’ll Be Your Baby Tonight」は1967年のアルバム「ジョン・ウェズリー・ハーディング」(John Wesley Harding)の最後に収められた曲カントリー・ソングで、1969年のカントリー・アルバム「ナッシュヴィル・スカイライン」(Nashville Skyline)に先駆けるものでした。

ボブ・ディランは自らの音楽のルーツとして、ハンク・ウィリアムス, Sr.(Hank Williams, Sr.)とウディ・ガスリー(Woody Guthrie)に大きな影響を受けました。デビュー後はウディ・ガスリーの影響が強いフォーク・ソングの時代であり、その後にロックンロールやリズム・アンド・ブルース色を強めたスタイルに移行し、「ナッシュヴィル・スカイライン」ではハンク・ウィリアムスに代表されるカントリー・ミュージックを志向しました。
「ナッシュヴィル・スカイライン」がリリースされた当時は、彼のプロテスト・ソングを含むフォーク・ソング時代からのファンやフォーク・ロック時代の若いファン層もとまどいを覚え、音楽評論も否定的なものが大半でした。ただ、音楽の好みを別にすればこの時期の作品の質が低下したものでなかったのは明らかでした。ボブ・ディランの長い経歴の中では、この時期は自分の求める音楽を周囲の意見に頼らず追求したものだったと思います。

カントリー・ミュージックの魅力は、分りやすい言葉で感情を表現するところにあります。それまで比喩的表現を深めていたボブ・ディランの詩作にとっては挑戦的な試みでもありました。しかしそこには偉大な先輩たちが残した作品があり、そのエッセンスをボブ・ディランは吸収して創作しました。例えばこの「I’ll Be Your Baby Tonight」はハンク・ウィリアムスの「There’ll Be No Teardrops Tonight」を参考にしたのではないかと思います。ただタイトル名が似ているということではなく、カントリー・ミュージックが内包しているある種の人間讃歌といった人間肯定のスタンスです。
「I’ll Be Your Baby Tonight」の歌詞は易しい言葉で、極めて直接的に愛を歌い上げています。言い換えればとてもシンプルな歌ですが、そうだからこそ聴く者に伝わるメッセージの強さを持って、多くの歌手に歌い継がれています。その歌の持つ強さは「ナッシュヴィル・スカイライン」でシンプルで見事なカントリー・ラブソング「レイ・レディ・レイ」などの作品として結実し、ボブ・ディランのその後の作品群に人間的な深みを与えたと思います。


Hank Williams, Sr. – There’ll Be No Teardrops Tonight

I’ll pretend I’m free from sorrow
Make believe that wrong is right
Your wedding day will be tomorrow
But There’ll Be No Teardrops Tonight.

Why, oh why – should you desert me
Are you doin’ this for spite
If you only want to hurt me
Then There’ll Be No Teardrops Tonight.

I’ll believe that you still love me
When you wear your veil of white
But you think that you’re above me
So There’ll Be No Teardrops Tonight.

Shame, oh shame – for what you’re doin’
Other arms will hold you tight
You don’t care whose life you ruin
But There’ll Be No Teardrops Tonight.

ノラ・ジョーンズ:Wikipedia
ハンク・ウィリアムズ:Wikipedia

2 thoughts on “「アイル・ビー・ユア・ベイビー・トゥナイト」 ボブ・ディラン:Bob Dylan – I’ll Be Your Baby Tonight”

  1. kazzd18geさんコメントとbook markありがとうございます!

    博学と言うより薄学の方で、興味のあることは探ってみるが、少しすると次に興味が移ってしまう「熱し易く冷め易い」人間です。それでも覚えていることを少しづつブログに書いています。きれいに纏められた定説や教科書的でない拙い雑文ですが楽しんで頂ければ幸いです。

  2. フォークソングフリークにとってはDylanは知りませんでは通らない巨塔であります、故に彼の作品の素晴らしさを理解しつつ所持するLPはゴールドディスクなるベスト版だけです、小生の見識の貧しさがここにあります、ブルーグラスにまっしぐらな20代でした。しかしマジックトレイン様のこのサイト深いですね、book markさせていただきました、サイトの作者に強い興味を抱きました。博学過ぎます。

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