Beach Boys – Surfin’ USA (1963)


Chuck Berry – Sweet Little 16 (1958)


Chuck Berry – Johnny B. Goode

ザ・ビーチボーイズの「サーフィンUSA」はチャック・ベリーの1958年のヒット曲「スウィート・リトル・シックスティーン」(Sweet Little Sixteen)を改作したものです。1960年代のサーフィンはマリン・スポーツとしてアメリカのハワイから西海岸で広く親しまれるようになりました。この新しい若者のスポーツ人気に便乗した形で作られたのが60年代のロックン・ロールをベースとしたサーフ・ミュージックです。ザ・ビーチボーイズはその中の一バンドとしてスタートし、この二作目の「サーフィンUSA」の大ヒットによりトップ・グループとしての人気と地位を確立しました。

チャック・ベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」や「ジョニー・B・グッド」(Johnny B. Goode)などは、1950年代の生まれたロックン・ロールという音楽のスピリットを反社会性や不良的な魅力も含めて完成させた名曲です。本来のロックン・ロールはその誕生からひとつの完成を迎えるまで極めて短期間でした。ジョン・レノンが「If you tried to give rock and roll another name, you might call it ‘Chuck Berry’」と語ったのはこの偉大な先人の業績を端的に示したものでした。しかしチャック・ベリーよって完成されたロックン・ロールの先にあったのはマンネリズムでした。そのためビートルズなどの後発バンドは新たなロックの方向性を摸索しました。

ザ・ビーチボーイズは自分たちのサーフ・ミュージックにチャック・ベリーの音楽が持つノリの良い躍動感を取り入れ、一方でロックン・ロールの反社会性や不良的な要素を排除し、ある意味では健康的な(親たちが認める程度の)曲として「サーフィンUSA」を送り出しました。そこにはロックン・ロールに混在したスピリットを剥がし、心地よいハーモニーに包まれたソフィスケイトされたサウンドがありました。不良の聴く音楽と言われたロックン・ロールがポップスとなったのはこの曲あたりからであったとも思います。この曲によってチャック・ベリーが懐メロ歌手になってしまったと残念に思ったのは私ひとりではないと思いますが、ロックの新しい可能性を示した改作であったことも事実です。
ザ・ビーチボーイズの優れている点は、ロックン・ロールをベースに独自の豊かな音楽性をもって新しい音楽スタイルをプロデュースしたことにあります。しかしロックン・ロールの持っていたある種の毒を排除したロックの先にあったのは、やはりマンネリズムの落とし穴だったと思います。ザ・ビーチボーイズの音楽に夢中になりながらも、この心地よい音楽に少し物足りなさを感じて離れていったのは私だけだったのでしょうか?それでも夏になると焼け付くような日差しの青空の下で「California Girls」「Barbara Ann」「All Summer Long」を聴くとやはり元気になるのです。それがザ・ビーチボーイズの音楽の本質、清涼剤のようなものなのかもしれません。


Do You Remember?

Little Richard sang it and Dick Clark brought it to life
Danny and the Juniors hit a groove, stuck as sharp as a knife
Well now do you remember all the guys that gave us rock and roll

Chuck Berry’s gotta be the greatest thing sthat’s come along
(Hum diddy waddy, hum diddy wadda)
He made the guitar beats and wrote the all-time greatest song
(Hum diddy waddy, hum diddy wadda)
Well now do you remember all the guys that gave us rock and roll
(Hum diddy waddy doo)

Elvis Presley is the king
He’s the giant of the day
Paved the way for the rock and roll stars
Yeah the critics kept a knockin’
But the stars kept a rockin’
And the choppin didn’t get very far

Goodness gracious great balls of fire

Nothin’s really movin till the saxophone’s ready to blow
(Do you remember, do you remember)
And the beat’s not jumpin’ till the drummer says he’s ready to go
(Do you remember, do you remember)
Well now do you remember all the guys that gave us rock and roll
(Do you remember)

Let’s hear the high voice wail (oooooooooo)
And hear the voice down low (wah-ah ah-ah)
Let’s hear the background
Um diddy wadda, Um diddy wadda
Um diddy wadda, Um diddy wadda
They gave us rock and roll
Um diddy wadda, Um diddy wadda
They gave us rock and roll
Um diddy wadda, Um diddy wadda
They gave us rock and roll

ザ・ビーチボーイズの原点がロックン・ロールであることを示した「Do You Remember?」の歌詞です。

サーフィン・U.S.A.:Wikipedia
ザ・ビーチ・ボーイズ:Wikipedia
チャック・ベリー:Wikipedia

2 thoughts on “ザ・ビーチボーイズ:The Beach Boys”

  1. mayumayuさん

    コメントありがとうございます。
    ビーチボーイズ特集楽しんで頂けて幸いです。
    ビーチボーイズがデビューした頃は、家ではレコード、外ではFENのラジオ放送を聴いていた子供でした。
    ビーチボーイズの曲は完成されたロックン・ロール・バンドによるサウンドの延長線上にあるもの、今の多重的なサウンドからしてみれば少しもの足りないのかもしれませんが、その軽さが清涼感を持っています。またそのビーチボーイズ・サウンドを望むファンに対して、自らが創り上げたイメージをブライアン・ウィルソンの才能をもってしても超えることはできなかったと思います。
    ポピュラー音楽は次々と作られては消費されてゆくものですが、それが誰かの心に残ることで作者も報われるのだと思っています。そんな想いを共有する人がひとりでもいれば、その人のために古い歌の記事を書いてゆこうと思っています。

  2. いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
    同じ頭文字で始まるグループが大西洋を挟んでほぼ同じ時期に活動していた頃、中学生だったワタシはビートルズに夢中になり、その後ビーチボーイズを知りました。耳に心地い音楽はそれはそれで満足しましたが、どれもこれもが同じに感じられて、暫くは忘れていました。で、山下達郎の『Big Wave』でカバー曲、【Don’t worry baby】【Please let me wonder】を聴いて久しぶりに思い出したのです。また、TVのドキュメンタリー番組でブライアン・ウィルソンが心の病と闘っていた事を知り、芸術に携わる事の大変さを思うと恐ろしくもなりました。
    でも、そんな苦しみの向こうには素晴らしい感動もあるはず・・・・一方的に楽しむ側のお気楽さですが、それでも彼らの歌やメロディーは素敵ですね。
    大きな感動はなくても、ほっとする安らぎを与えてくれます。押し付けがましくないからでしょうか?
    久しぶりに夏らしい音楽を楽しめました。ありがとうございます。
    で、チャック・ベリーと言えば、『Back to the Future』での『ジョニー B グッド』演奏の場面を思い出します。蛇足ですが。(マイケル J フォックス、病気に負けないで欲しいです)

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