Queen – Flash’s Theme (1980, Flash Gordon, Official Music Video)
クイーンの主題歌「フラッシュのテーマ」サウンドトラック録音風景によるオフィシャル・ビデオです。1980年の映画「フラッシュ・ゴードン」はクイーンが音楽を担当したこともあって、今でもカルト的な人気があります。


Flash Gordon (1980) Suite
「フラッシュ・ゴードン:1980」のサウンドトラックから。


Flash Gordon

「フラッシュ・ゴードン」(Flash Gordon)は、その後のアメリカン・コミックに多大な影響を与えたアレックス・レイモンド(Alex Raymond:1909–1956)が、当時人気のあったコミック「バック・ロジャース」(Buck Rogers)に対抗して、1934年にコミック雑誌に画いたSFスペース・オペラです。当時のSF小説の隆盛を背景にしたSFパルプ・マガジンの出版ブームに乗って、明確な正義の主人公像、豊かな発想が創り出した異系世界と多彩な登場人物が織り成す冒険談が人気を博しました。

この人気コミックに注目したのがユニバーサル映画で、バスター・クラブ(Buster Crabbe:1908–1983)を主役にした映画シリーズ(1936〜1940)を製作しました。このシリーズは短編エピソードからなるもので、その分ストーリー展開は早く、皇帝ミンが支配する惑星での宇宙船による戦闘や主人公の怪獣との闘いなど、その後のSF冒険映画によって描かれる豊富なエピソードが繰り広げられる楽しさに満ちていました。これはアレックス・レイモンドの連載コミックの、次のストーリー展開へと興味を引き付けるスタイルを映画に引用したものです。もちろんこうした観客を飽きさせない映画製作の手法は、この作品に限ったことではありませんが、登場人物の心理描写よりもエピソードを重ねてゆく連載コミック的な手法は1930年代に活劇映画の典型的なスタイルとして確立されました。TVが登場し広く一般的になるまでの間、シリーズ物の連続活劇という映画ジャンルは、週末の大衆向け娯楽であり、「フラッシュ・ゴードン」はこのジャンルで根強い人気を獲得し、戦前のコミックから映画シリーズ、1970年代のテレビシリーズ、1980年の映画など変らぬ根強い人気を保っています。

1980年の映画「フラッシュ・ゴードン」は豪華な装置、衣装と俳優陣など、破格の製作費を注ぎ込んだSF大作映画として作られました。主演のサム・ジョーンズ(Sam J. Jones:1954-)は1979年「テン」への出演を経てフラッシュ・ゴードン役に抜擢されました。しかし彼にとって不運なことに、適役であるミン皇帝役のマックス・フォン・シドー(Max Carl Adolf von Sydow:1929-)、ザーコフ博士役のトポル(Chaim Topol:1935-)、オーラ姫役のオルネラ・ムーティ (Ornella Muti:1955)などの個性的な俳優たちによって主人公の魅力は薄くなり、その後大作映画の主役となることなく、B級アクション映画に多数出演しました。
一般に1980年版の「フラッシュ・ゴードン」は、先立って公開されたジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」(Star Wars:1977)と比較され、壮大な無駄遣いによる駄作という評価をされています。これは「スター・ウォーズ」がジョージ・ルーカスというフラッシュ・ゴードンのファンがそのエッセンスを映像化したのに対して、「フラッシュ・ゴードン」は既存の映画人たちが、「スター・ウォーズ」が成し得なかったSFコミックのノスタルジックな世界を映画化させたからです。大人の映画人が馴染みの薄いコミックを大人になった当時のファン向けに豪華に蘇らせた映画と言えます。莫大な製作費を使って作られた娯楽に徹した贅沢なB級大作映画などめったに作られることはありません。それをバカバカしいという意見もあります。しかし無邪気に楽しんでみせる大人らしい余裕を持つことも映画ファンのひとつの在り方です。「スター・ウォーズ」との比較では、ストーリーやメカニカルな現実感では「スター・ウォース」が勝りながら、映像化されたSFの奇妙でノスタルジックな世界観では「フラッシュ・ゴードン」が勝っていました。後日、エピソード1から3まで続く「スター・ウォース」第二シリーズでは製作費が増大したことより、「フラッシュ・ゴードン」的な装置や衣装のディテールをも追求することになりました。
SF映画に限らず、SFの魅力はビジュアルにあります。現実にはありえないものや見たこともない奇妙な世界は全て誰か他の人の想像力の産物です。その自分の想像力の枠を超えたものを目にすることで、さらに自分の想像力の枠を拡げることができます。その高揚感がSFのビジュアルがもたらす最大の楽しみです。その意味において「フラッシュ・ゴードン」は極めて魅力的な映画でした。この映画がカルト的な人気があるのはそうした要因があるためです。


Flash Gordon – The Deadly Ray From Mars
バスター・クラブが主演した「フラッシュ・ゴードン」シリーズの一部です。バスター・クラブはコミックと比べても適役。SFX(特殊撮影)が古いことは仕方ありません。それでもテンポの良いストーリー展開は今でも充分に楽しい作品です。


Flash Gordon: The Greatest Adventure of All
【Part1】【Part2】【Part3】【Part4】【Part5】【Part6】【Part7】【Part8】【Part9】
1982年に放映されたシリーズ。製作は1979年前
スターウォーズ・シリーズの影響もみられます。

フラッシュ・ゴードン:Wikipedia
Flash Gordon:Wikipedia
Buster Crabbe:Wikipedia

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