プロジェクトA(原題:A計劃:Project A) 1983

プロジェクトA2 史上最大の標的(原題:A計劃續集Project A II) 1987

霊幻道士(原題:殭屍先生:Mr Vampire) 1985

夏の夜にはこんな映画で楽しみたいということで、1980年代のクラシックな香港アクション映画です。

香港映画は1900年初頭から作られており、中国映画とは違った映画文化が開花していました。1842年からのイギリス植民地時代、戦前の日本統治時代、戦後の植民地復帰、1997年のイギリスから中華人民共和国への主権移譲という歴史の流れの中で、東洋と西洋文化が混在した娯楽映画が作られました。戦前は剣戟映画、戦後は歌謡映画や恋愛映画、そして1960年代からはクンフー映画が隆盛となり、1970年代にはブルース・リー(李小龍)というスターを得て、世界的にも知られるようになりました。しかしこれはブルース・リー個人の人気によるところが大きく、香港映画自体が認められたものではありませんでした。そして1980年代に入ってからジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーといったクンフー映画出身のスターが、香港映画の伝統である剣戟、クンフー映画にハリウッド的な映画製作を持ち込み、その徹底した娯楽性で日本やアメリカでも人気を得ました。

ジャッキー・チェンが製作、脚本、主演した「プロジェクトA」は、それまでのクンフー映画のようにクンフーの技のみに頼ったものではなく、映画全体の中にクンフーのアクションを取り込んだもので、それは映画の主題ではなくて、ひとつの要素です。主たる映画のストーリーがあって、その娯楽的要素として、アクション、クンフー、ユーモアと笑いがあるものです。
また同じようにクンフー映画出身のサモ・ハン・キンポーが製作した「霊幻道士」も、ゾンビ映画とクンフー映画を融合し、ユーモアと笑いを加味することでオリジナリティ溢れるアクション映画を創設しました。

両者に共通するのは、その映画的手法です。言葉の壁を乗り越える表現、クンフーを主体とするアクションと世界に共通するユーモアのセンスは、映画を見る観客の誰もが分るものです。サイレント映画時代のハロルド・ロイド、バスター・キートンやチャールズ・チャップリンなどのハリウッド創成期の情熱と映画技法を取り入れることで香港映画に新たな可能性をもたらしたと思います。また昨今の映画のように特殊技術に頼らない生身のアクションは、今観てもとても新鮮です。出演者のリスクを考えればもうこんなに危険なアクション映画は作られないのではないでしょうか。それだけにこの映画製作に懸けた情熱は賞賛に値します。

参考に、映画史上に残るハロルド・ロイドの2作品からスリル満点の名シーンを掲載しておきます。

Harold Lloyd – 「要心無用」(Safety Last:1923) Final Scene


Harold Lloyd 「猛進ロイド」(Girl Shy:1924) drives a Pacific Electric trolley  (少しノイズが入ります。)

プロジェクトA:Wikipedia
ジャッキー・チェン:Wikipedia
霊幻道士:Wikipedia
サモ・ハン・キンポー:Wikipedia
香港映画:Wikipedia

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