Simon & Garfunkel – Sound Of Silence (1965)


Simon & Garfunkel – The Sound of Silence Live in Central Park, 1981.

Sound Of Silence 歌詞

Hello darkness, my old friend
I’ve come to talk with you again
Because a vision softly creeping
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain
Still remains
Within the sound of silence

In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobblestone
‘Neath the halo of a street lamp
I turned my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence

And in the naked light I saw
Ten thousand people, maybe more
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices never share
And no one dared
Disturb the sound of silence

“Fools”, said I, “You do not know
Silence like a cancer grows
Hear my words that I might teach you
Take my arms that I might reach you”
But my words, like silent raindrops fell
And echoed
In the wells of silence

And the people bowed and prayed
To the neon god they made
And the sign flashed out its warning
In the words that it was forming
And the sign said, “The words of the prophets are written on the subway walls
And tenement halls”
And whispered in the sounds of silence

(意訳)

こんにちは暗闇、私の古い友人
私は再びあなたと話すためにやって来た
ひとつの幻影がそっと忍び寄り
私が寝ている間にその種を残していったから
そして私の脳に植えられた幻影が
まだ残っている
沈黙の音の中に

不安な夢の中で私は一人で歩いた
石畳の狭い街路
街灯の光輪の下を
私は寒さと湿気に襟を立てて
私の目がネオンの光の閃きに突き刺されたとき
それは夜を裂き
そして沈黙の音に触れた

むき出しの光の中で私は見た
およそ一万の人々、もしくはもっと多く
人々は話すことなく会話し
人々は耳を傾けることなく聞いている
人々は決して声を共有しない曲を書いている
そして誰一人敢えてはしない
沈黙の音をかき乱そうとは

“愚か者たち”と、私は言った、”あなたたちは知らない
沈黙が腫瘍のように育つことを
私があなたに教えられるだろう言葉を聞け
私があなたに届くだろう腕を取れ
しかし、私の言葉は、音無き雨滴のよう落ち
そしてこだました
沈黙の井戸で

そして人々は屈んで祈った
彼らが作ったネオンの神に
そしてきざしが閃いた、それは警告している
明らかになった言葉で
そしてきざしは言った”預言者の言葉は地下鉄の壁に書かれている
そして家屋のホールに”
そして沈黙の音の中で囁いた

「サウンド・オブ・サイレンス」(Sound Of Silence)はサイモンとガーファンクル(Simon & Garfunkel)の歌で、アルバム「水曜の朝、午前3時」(Wednesday Morning, 3 A.M.:1963)に収録され、その後、マイク・ニコルズ監督映画「卒業」(The Graduate:1967年)に使われ大ヒットしました。この際に当初アコースティックであったものにポップス風のアレンジが施されました。
歌詞の内容からは、当時のアメリカの社会規範や道徳観が変貌するなかでの、一種の不安感や無力感、閉塞感が感じられます。公民権法で社会規範を共有できない人々の認識の格差、ベトナム戦争の可否に揺れた社会正義への疑惑を背景とした不信感を感じ取ることもできます。対話とならない無意味な会話や感情を共有できない音楽などは、資本主義経済の発展の元に消費される商業主義への傾倒への批判があるのかもしれません。それらの混沌とした世の中の移り変わりを生きる沈黙した人々の心情を「Sound Of Silence:沈黙の音・響き」と表現したのではないかと思います。

とはいえ、私はこの歌から1960年代のプロテスト・ソングが持っていた強いメッセージ性を感じることはありませんでした。それは4節目での若者特有の独善的とも言える歌詞への反発であったのかもしれません。プロテスト・ソングの力強い言葉でもなく、詩の暗喩にしてもボブ・ディランほどの斬新さがないことということもあります。例えば「Ten thousand people, maybe more …」の部分もボブ・ディランの「激しい雨が降る」の歌詞「I saw ten thousand talkers whose tongues were all broken」(私は1万の話す人の舌がすべて壊れていたのを見た」のような生理的嫌悪感を感じるほどの文学性を有していません。(ファンのひとりとして敢えて言いますが..)残念なことではありますが、やはりポール・サイモンは優れたメロディ・メーカー、ソング・ライターであっても、彼が憧れたであろうディランのような先鋭的な詩人ではなく本来は抒情詩人だと思っています。

またこの歌詞にある閉塞感についてですが、実際には混乱する社会にあって多くの人々は新しい秩序を摸索して、社会の秩序を再構築しようとしていました。その結果が良かったのか悪かったのかは分りませんが、その変革によって現代のアメリカ社会を形成しました。そしてこの歌詞に救いがあるのは最後の節の「The words of the prophets are written on the subway walls And tenement halls」(預言者の言葉は地下鉄の壁に書かれている、そして家屋のホールに)で、そこに人々の底力が垣間見えることです。


Simon and Garfunkel Mrs.Robinson

And here’s to you, Mrs. Robinson
Jesus loves you more than you will know (Wo, wo, wo)
God bless you please, Mrs. Robinson
Heaven holds a place for those who pray
(Hey, hey, hey…hey, hey, hey)

We’d like to know a little bit about you for our files
We’d like to help you learn to help yourself
Look around you, all you see are sympathetic eyes
Stroll around the grounds until you feel at home

And here’s to you, Mrs. Robinson
Jesus loves you more than you will know (Wo, wo, wo)
God bless you please, Mrs. Robinson
Heaven holds a place for those who pray
(Hey, hey, hey…hey, hey, hey)

Hide it in a hiding place where no one ever goes
Put it in your pantry with your cupcakes
It’s a little secret, just the Robinsons’ affair
Most of all, you’ve got to hide it from the kids

Coo, coo, ca-choo, Mrs Robinson
Jesus loves you more than you will know (Wo, wo, wo)
God bless you please, Mrs. Robinson
Heaven holds a place for those who pray
(Hey, hey, hey…hey, hey, hey)

Sitting on a sofa on a Sunday afternoon
Going to the candidates debate
Laugh about it, shout about it
When you’ve got to choose
Ev’ry way you look at it, you lose

Where have you gone, Joe DiMaggio
A nation turns its lonely eyes to you (Woo, woo, woo)
What’s that you say, Mrs. Robinson
Joltin’ Joe has left and gone away
(Hey, hey, hey…hey, hey, hey)

「サウンド・オブ・サイレンス」の歌が使われた映画「卒業」です。マイク・ニコルズはこの映画でアカデミー監督賞を獲得しました。また、主演のダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman:1937–)の出世作となりました。マイク・ニコルズはこの作品の前年、エリザベス・テイラーが二度目のアカデミー主演女優賞を獲得した「ヴァージニア・ウルフなんてこわくない」(Who’s Afraid of Virginia Woolf?:1966)を監督して、ハリウッド・ニュー・シネマの旗手として注目されました。 「ヴァージニア・ウルフなんてこわくない」も「卒業」も時代の変わり目での家庭の崩壊や新しい価値観の摸索をテーマにしています。マイク・ニコルズは基本的には舞台演出家で、彼の映画は過激で機知に富んだ会話の魅力にあります。しかし時代の流れは彼を追い越してゆきました。デビューが鮮烈であっただけに、その輝きが失われるのも早かったと思います。
ヴァージニア・ウルフ(Virginia (Adeline) Woolf (nee Stephen):1882-1941)はイギリスの女流作家で、優れた心理描写のモダニズム作品を残し、フェミニストでもありました。「ヴァージニア・ウルフなんてこわくない」の題名はこのフェミニズムをパロディ化して原作者のエドワード・オールビーがつけたのではないかと思います。映画「ヴァージニア・ウルフなんてこわくない」の鬼気迫るエリザベス・テイラーほどではありませんが、映画「卒業」ではロビンソン夫人役で、1962年「奇跡の人」でアカデミー主演女優賞を受賞したアン・バンクロフト(Anne Bancroft:1931-2005)が名演を披露しています。
映画「卒業」はラスト・シーンの印象から恋愛映画と思われていますが、内容としてはセックス・コメディです。1950年代半ばから1960年代は保守的な恋愛感や家庭感が変ったアメリカの「性の革命」(Sexual revolution)の時代で、同時にフェミニズムも隆盛しました。「卒業」は無気力になった主人公ベンジャミンがそうした時代背景で真のパートナーを求める物語です。「サウンド・オブ・サイレンス」の歌は時代を象徴する青年ベンジャミンによく合っていました。


「卒業 」:The Graduate (1967年)ラストシーン

サイモン&ガーファンクル:Wikipedia
卒業 (1967年の映画):Wikipedia
マイク・ニコルズ:Wikipedia
ヴァージニア・ウルフなんかこわくない:Wikipedia

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