ニーナ・シモン:Nina Simone – Don’t Let Me Be Misunderstood (1964)

悲しき願い(Don’t Let Me Be Misunderstood)は1964年にニーナ・シモン(Nina Simone:1933-2003)がオリジナルで最初にレコーディングした曲です。
翌年1965年にこの曲をリズム&ブルースとして編曲し直してジ・アニマルズがカバーしてヒットしました。サンタ・エスメラルダのバージョンは1977年にリリース、ラテンのアレンジで当時のディスコ・ナンバーとしても大ヒットとなりました。このバージョンは2003年にクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino:1963-)が監督した「キル・ビル」(Kill Bill)のサウンド・トラックとして使用され、リバイバル・ヒットしました。その他にも多数の歌手がカバーしていますが、特に有名なものはこの三者によるものです。世代としては隔たりがありますが、歌詞の内容が時代を超えているので、多くのファンに親しまれています。
但し、結論を先に書いてしまえば、やはりこの歌の最高のバージョンはニーナ・シモンのものです。時代時代でこの歌に思い入れを持っている方もあるでしょうが、曲の持つ普遍性をもっとも表現している歌唱だと思います。

歌の内容は内省的なものです。誰でもその時々の自分の気持ちによって、人に辛く当たったり、心を傷つける言葉を使ったりしてしまいます。表面的に威勢を張っている人や、皮肉を言う人も、実は繊細な心の持ち主で、この歌のように他人に誤解されないようにと願っているのかもしれません。他人から悪く思われたいという人は少ないのですから、他人の言ったことを気にするよりも、その人の本質を見ることが大切です。誰でもひとつ位良い面を持っています。「誤解:Misunderstood」という言葉をみれば分かるように、人は多かれ少なかれ間違った目で物事を解釈して生きているものです。そう考えてみると「悲しき願い」という邦題は的を得ていたと思います。

意訳はアニマルズとサンタ・エスメラルダを意識して、男性の立場で訳していますが、女性用に書き換えてもよいと思います。実は個人的にはこの曲を最初に聴いたのは家にあったニーナ・シモンのものだったので、アニマルズや日本語化された尾藤イサオさんのバージョンを聴いたときには子供心にも反感を覚えた記憶があります。ニーナ・シモンの歌唱には、自分ではどうしようもできない人間の心の葛藤が表現されていると思います。アニマルズのバージョンはインパクトがありますが、不良少年の勝手な言い訳のようで、この内面的な心の苦しみまで伝えていない、流行に沿ったものと感じたことが、反感を覚えた理由だと思います。(アニマルズのファンの方、ごめんなさい。)とは言っても、この歌をお説教臭くなく、クールに歌ったところがアニマルズの持ち味、ヒットした要因だと思うので、あくまでも好みの問題です。サンタ・エスメラルダのバージョンの頃は、ディスコで友人がアルバイトしていたこともあって、ナツメロのリバイバル、今で言えばリミックス・バージョンのような感じで特に違和感はなくなっていました。ここまでポップにしてしまえば、歌詞のことなどもう気になりません。そして、やはりこの曲の最高のバージョンはニーナ・シモンによるものだと今でも思っています。

The Animals ~ Don’t Let Me Be Misunderstood (1965)

ロング・バージョン:

サンタ・エスメラルダ:Santa Esmeralda – Don’t Let Me Be Misunderstood ( Esmeralda Suite )

【Don’t Let Me Be Misunderstood 歌詞】
作詞作曲(Benjamin/Marcus/Caldwell)(ベニー・ベンジャミン、グロリア・コールドウェル、ソル・マーカス)

Baby, do you understand me now
Sometimes I feel a little mad
Well don’t you know that no-one alive
Can always be an angel
When things go wrong I seem to be bad

I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

Baby, sometimes I’m so carefree
With a joy that’s hard to hide
And sometimes it seems that
All I have to do is worry
And then you’re bound to see my other side

I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

If I seem edgy, I want you to know
That I never mean to take it out on you
Life has it’s problems and I get my share
And that’s one thing I never mean to do

‘cause I love you
Oh, oh, oh, baby, don’t you know I’m human
Have thoughts like any other one
Sometimes I find myself alone and regretting
Some foolish thing, some little simple thing I’ve done

I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

Yes, I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

Yes, I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

Yes, I’m just a soul who’s intentions are good
Oh Lord, please don’t let me be misunderstood

(意訳)

ベイビー、君は俺のことは分かるかい?
時々俺は少しおかしな気分になるんだ
そうさ分からなかな、誰もいないのさ
いつでも天使でいられることなんて
うまくいかないときには俺は悪く見えるのさ

俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

ベイビー、時々俺はとても気楽なんだ
隠し難い喜びを持っている
そして時には、俺は
まったく心配ばかりしてるようだろ
そんな時に、君は俺の違った面を見てるんだよ

俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

もし俺がいらいらしてるようなら、分かってほしんだ
君に八つ当たりする気なんかまるでないって
人生には問題がつきもの、俺だってそうさ
だからそんなことは、決してそんな気じゃないんだよ

だって君を愛しているから

おぅ、おぅ、おぅベイビー、俺が人間だって分からないかい?
みんなと同じような考え方を持っている
時には自分が独りぼっちで悔やんでいることに気が付く
いろんな馬鹿げたことや、ささいなことを

俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

そうさ、俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

そうさ、俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

そうさ、俺だって良く在りたいと努めているひとつの魂なんです
ああ神様、どうか俺を誤解されないようにしてください

ニーナ・シモン:Wikipedia
悲しき願い (1964年の曲):Wikipedia

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