Three Reasons: Zazie dans le métro

「地下鉄のザジ」(Zazie dans le métro)はレーモン(レモン)・クノー(Raymond Queneau:1903-1976)の小説を原作としたフランスの映画監督ルイ・マル(Louis Malle:1932-1995)の1960年のコメディ映画です。
この映画でデビューした当時12歳の子役、カトリーヌ・ドモンジョ(Catherine Demongeot:1948-)は明るく奔放な少女ザジを演じて一躍有名になりました。

主人公ザジの2日間のパリの冒険は当時のパリの市街地観光案内の要素もあります。当時のパリは今のように高層ビル群もなく、空も広く感じます。また古い型のシトロエンやルノーの自動車なども味わいがあります。エッフェル塔の螺旋階段はこの映画で初めて知りました
。この映画ではパリという都市そのものも主役と言えます。その生きているパリの街で、カトリーヌ・ドモンジョは悪戯好きで活発なザジを自然に演じています。それはまた、パリという都市が発するエネルギーが演技を引き出しており、またザジを取り巻く個性的で愛すべき大人たちを演じた共演者たちとの自然な交流から生まれたものかもしれません
この映画はヌーヴェルヴァーグ(Nouvelle Vague)の作品として高く評価されました。ヌーヴェルヴァーグは即興演出、同時録音、ロケ中心などの手法による映画です。簡単に言えば、既存の映画のように机上で考えたものを記録するのではなく、製作過程の自然さを重視して、撮影現場でのインスピレーションを記録することで、観客が映画の世界に参加しているような感覚を得られる映画作品とするものです。
そこでヌーヴェルヴァーグ映画では特に野外撮影の技術が重要になります。この映画の撮影監督はヌーヴェルヴァーグの監督たちに信頼されていたアンリ・ドカエ(Henri Decaë:1915-1987)が担当しています。アンリ・ドカエが撮影監督を務めた素晴らしい映画作品の数々はWikipediaを参照して頂くとして、この作品で如何に彼が当時の生きたパリの街を活写し、登場人物たちが生き生きと描かれていることに注目してください。そうすればヌーヴェルヴァーグ映画の魅力の一端が理解できると思います。

日本では、大貫妙子さんのこんなオマージュ曲も作られました。

大貫妙子 – 地下鉄のザジ


原田知世 – 地下鉄のザジ

地下鉄のザジ:Wikipedia
アンリ・ドカエ:Wikipedia

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