ローリング・トゥエンティのアイドルグループ「ボズウェル・シスターズ:The Boswell Sisters」です。

The Boswell Sisters – Coffee In the Morning (Kisses In The Night)

Coffee In the Morning (Kisses In The Night)
From the film “Moulin Rouge” (1934) (作曲ハリー・ウォーレン:Harry Warren / 作詞アル・デュビン:Al Dubin)

I’ve got a mission, it’s just a simple thing
I’ve only one ambition, to have the right to bring you
Your coffee in the morning
And kisses in the night

It’s my desire to do as I am told
To have what you require, and never have it cold, Dear
Your coffee in the morning
And kisses in the night

Though wedding bells sound sad and dirgy
Though wedding ties may spoil the fun
Without the benefit of clergy
Oh, I’m afraid it can’t be done

It isn’t formal, but with a wedding ring
It’s natural, it’s normal to give you everything from
Your coffee in the morning
Your kisses in the night

(意訳)

私には使命があるの、それはとても単純なこと
たったひとつの望み、あなたに持って行くようにしてること
朝のあなたのコーヒー
それと夜にはキスを

話したようのするのが私の願い
あなたの必要なものを持っていること、冷めていたりなんてしないわ、あなた
朝のあなたのコーヒー
それと夜のキス

結婚式の鐘の音は悲しくてdirgyな響き
結婚式の束縛は楽しみを台無しにするかもしれない
聖職者のご利益がなければ
ああ、私はそれができないのが怖い

これは正式じゃないわ、でも結婚指輪はあるわ
それは自然なことよ、それは普通のこと、あなたにすべてを与えるわ
朝のあなたのコーヒーから
夜のあなたのキス

ボズウェル・シスターズ(The Boswell Sisters)(コニー、マーサ、ヴェットの三姉妹)は、1930年代のアメリカを代表する白人ガールズ・グループです。ジャズの分野におけるガールズ・グループの元祖とも言えます。ボズウェル・シスターズはニューオリンズの裕福な家庭の出で、クラシックの素養を身に付けていました。しかしそこは土地柄、多くの黒人音楽にも興味を示し、自然にそうした音楽に接する環境で育って行きました。感受性が鋭い若者が良い物を吸収していくのはごく自然な成り行きでした。
彼女たちは当初、白人向けのジャズ演奏で当初地元の劇場やラジオ局で人気を博し、その後1930年にニューヨークのメジャー局と契約しました(ラジオ・スターの誕生の時代です)。彼女たちの音楽は、それまでのややクラシカルな女性ボーカルに、ニューオリンズのジャズのテイストとリズム感を加えたことで、ジャズ・エイジの終わりの大恐慌時代の暗い世相に明るい歌声を提供しました。1930年代のボズウェル・シスターズには多くの才能ある音楽家たちが優れた楽曲を提供し、彼女たちの音楽性と相まって絶大な人気を得ました。
ボズウェル・シスターズの功績は単なるガールズグループの草分けという評価ではなく、それまでのクラシックと黒人音楽の垣根を取り去ったことです。今では考えられないかもしれませんが、人種が根強く残っていた当時のアメリカにあっては、この垣根を超えることは容易なことではありませんでした。それを音楽を通して、いとも容易く、そして楽しく、跳び越えっていったカッコよさに彼女たちが絶大な人気を得た要因があったと思います。

ボズウェル・シスターズにはたくさんの歌があるのですが、今日はこの一曲。1934年のユナイト映画「ムーランルージュ」の主題歌Coffee In the Morning (Kisses In The Night)です。

Coffee In the Morning (Kisses In The Night)は、アメリカの作詞・作曲家ハリー・ウォーレン(Harry Warren:1893-1981)とアル・ダビン(Al Dubin:1891-1945)の作品です。この二人のコンビは、翌年に映画「ゴールド・ディガース」(Gold Diggers:1935)の主題歌「ブロードウェイの子守歌」(Lullaby of Broadway)でアカデミー歌曲賞を獲得しています。またハリー・ウォーレンは1943年の「ユール・ネヴァー・ノウ」(You’ll Never Know)と1946年の「サンタフェ鉄道」(On the Atchison, Topeka and the Santa Fe)でも同賞を獲得しています。この他にも多くの映画音楽などを作った20世紀のアメリカの偉大な作曲家の一人です。
この曲は1934年にオーケストラを結成したトミーとジミーのドーシー兄弟が初期のスウィング・ジャズのアレンジと伴奏を担当しています。余談ですが、結成当初のドーシー兄弟のオーケストラにはグレン・ミラーも在籍していました。ということは、この伴奏にも参加していたと思われます。
Coffee In the Morning (Kisses In The Night)の歌詞の内容は、結婚式は挙げられないものの、幸せな恋が実った喜びを歌っています。朝にコーヒーを淹れることと、夜のキス。これはアメリカ式の結婚生活を長続きさせる極意でしょうか?言い換えれば、この歌詞からは、結婚したら、せめて朝晩は愛情表現を忘れないこと、それがまた自分自身の義務であり、それが喜びにもなるというメッセージが読み取れます。(意訳しましたが「dirgy」の意味は不明なのでそのままにしてあります。)
この曲を朝のコーヒー・タイムの時に、少しのんびりした気持ちで聴くと。良い気分の一日が過せるのではないでしょうか?

The Boswell Sisters – Sentimental gentleman from Georgia (1932)
クレジット:Frank S Perkins (作曲) Mitchell Parish (作詞) 1932
「ボズウェル・シスターズ:The Boswell Sisters」と「センチメンタル・ジャーニー」の曲に関するトリビアです。
1944年のドリス・デイ歌唱によるミリンンセラー「センチメンタル・ジャーニー」の元歌です。というか、曲はそのままレス・ブラウンによるパクリですね。今の時代なら著作権侵害の確信犯もいいとこですが、音楽ファンとしては時代背景やその辺の諸般の事情は、もう時効なので許容しましょう。しかし同年(1932年)アイシャム・ジョーンズ・オーケストラ(Isham Jones Orch.)のバージョンではこのようなことはないので、レス・ブラウンがボズウェル・シスターズのバージョンを盗用したといったほうが正しいと思います。で、やはり良い曲は時代を超えて愛されるもので、この曲にベストで素敵な歌詞を付けた作詞者バド・グリーンこそ称賛されるべきという気持ちは変わりません。また、これはこれで楽しい歌なので、味付け次第でこんなに変わるの?といった軽い気持ちで楽しんでください。
歌の内容は「ジョージアからやって来たセンチメンタル(ちょっと陰りがある・シブイ)なイケメンの先生は、女性にとても優しいの」というものです。新しく着任したの教師に騒いでいる生徒・学生の様子を描いたもので、いい男に関する女性の噂話は何時の変わりませんね。途中から曲調が変わるのは、いい男の先生ににうっとり、行ってしまうと女性たちはもう大騒ぎといった感じですね。
ちなみに、曲のエンディングの「Yankee Doodle:ヤンキードゥードゥル(アルプス一万尺の元歌)」(南北戦争時の北軍の進軍曲:ついでに書いておくと、徳川幕府に開港を迫ったペリーが久里浜に上陸したときにもこの曲で行進したそうです。)は「先生がやって来たぞ!」という意味のシャレを効かせたアレンジです。

ボズウェル・シスターズのその他のヒット曲です。スウィング、ニューオリンズ・ジャズのテイストをまったりと楽しんでください。日本でディック・ミネがカバーした「ダイナ」の歌もあります。

The Boswell Sisters – Dinah (1934)
カロライナの評判の美人ダイナと結婚したものの、彼女の心変わりが恐いというちょっとユーモラスな歌です。個人的には、この歌を聴くと何故か江戸川乱歩の「接吻」を想い浮かべてしまいます。
ディック・ミネの「おおダイナ、私の恋人、胸にえがくは美わしき姿 おお君よ~」の元歌。「お酒を飲ませて頂戴ナ~」はエノケン。

Rock and Roll – the Boswell Sisters
ロックンロールという言葉が使われた、おそらく最初の曲だと思います。しかしこの歌は、ロッキングチェアのように海が心地よく揺れる船旅での楽しいロマンスを歌っています。ドタバタ・トーキー映画を観るような感じです。

There`ll be some changes made (1932)
「愛情もファッションも古いものから新しいものにいくつか変える必要がある」というデルタ・ブルース調のビリー・ホリデイも歌った有名な歌です。

Boswell Sisters – Heebie Jeebies
「いらいら・びくびく」という言葉、1920年代アメリカの古いスラング「ヒービー・ジービー」の歌で、言葉遊びが楽しい歌です。

Boswell Sisters:Wikipedia

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です