70年代、80年代の海外女性ロッカー・ポップシンガーたち

懐かしの70年代、80年代の女性ロック&ポップシンガーの歌で熱くなりましょう。ということで、当時のヒット曲を中心に気の向くまま集めてみました。以下は蛇足の解説です。

何故、女性ロック・シンガーたちがこの頃に活躍を始めたかを少し解説すると、フェミニズム、ウーマンリブ運動の盛り上げ(盛り上がりではなく)という風潮の後押しがありました。ウーマンリブ運動は70年代の初頭にアメリカを中心とした先進国で起こった、女性の社会的地位を改善・向上させる運動です。当時のアメリカはベトナム戦争の後遺症と財政・貿易赤字で停滞した時期でした。この時期に政治や社会を男性だけに任せておけないということもあって、女性の社会進出が活発化したのです。国連で「国際婦人デー」が定められたのも1975年でした。しかし、当のアメリカでは「笛吹けど踊らず」、保守的な考えが根強く存在しており、言ったほどの成果をあげることはなかったと思います。
しかし、そんな影響もあって、ポピュラー音楽の世界でも広く女性歌手たちが支持されました。とりわけ顕著だったのが女性ロック・シンガーたちの活躍でした。アメリカでは70年代半ば頃に、スージー・クワトロ、後半にブロンディのデボラ・ハリー、パット・ベネターなどが現れ、その後の80年代はニュー・ウェーブ・ミュージックの流行(リズム・マシーンのチャカポコ音は時代を感じますが…)にも乗って、多くの人気歌手、グループが輩出しました。他にもプリテンダーズやスージー&バンシーズなどもいますが、長くなるので今日はポピュラーなものを選びました。

おしなべて、この時期の女性ロッカーたちの歌には元気とパワー、スピード感がありました。それは一種の解放感の発露であったと思います。今でも70年代、80年代の女性ロッカーたちに新鮮さを覚えるのは、彼女たちの自己表現への情熱を感じるからだと思います。

Suzi Quatro – The Wild One (1974)

スージー・クアトロ(Suzi Quatro:1950-)は60年代からバンド活動を始め、70年代からハードロックを演奏したアメリカの女性ロック・シンガーの先駆者です。いろいろヒット曲がありますが、彼女のスタイルをよく現しているのが1974年のヒット「The Wild One」、日本語で言えば「じゃじゃ馬娘」でしょうか、ノリとスピード感がある曲です。歌詞は曲名のイメージ通りなので訳しませんが、(開き直った、吹っ切れた?)良くも悪くもツッパった時代の雰囲気があります。

The Wild One

All my life I’ve wanted to be somebody and here I am
I know what I’ve got and there ain’t nobody
Gonna take it away from me
So let me tell ya what I am

I’m a red hot fox, I can take the knocks
I’m a hammer from hell, honey, can’t you tell?
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

I’m a touched up freak on a winning streak
I’m gonna own this town, you can’t hold me down
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

Well, it ain’t no use, turn me loose
More, more, I can’t keep score

I’ve got my head screwed on and the days are gone
When you kept me down and you pushed me ‘round
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

I’m a blue eyed bitch and I wanna get rich
Get out of my way ‘cause I’m here to stay
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

Well, it ain’t no use, turn me loose
More, more, I can’t keep score, yeah
Well, it ain’t no use, turn me loose
More, more, I can’t keep score

I’m a red hot fox, I can take the knocks
I’m a hammer from hell, honey, can’t you tell?
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

I’m a touched up freak on a winning streak
I’m gonna own this town, you can’t hold me down
I’m the wild one, yes, I’m the wild one

I’m the wild one, yes, I’m the wild one
The wild one, yes, I’m the wild one
I’m the wild one, yes, I’m the wild one
I’m the wild one, yes, I’m the wild one
I’m the wild one

Blondie – Heart of Glass 1979


Blondie (Live in Musikladen 1977 HQ)【Part1】
Blondie (Live in Musikladen 1977 HQ)【Part2】

1975年にメジャー・デビューした「ブロンディ」の最初の大ヒットが1979年の「ハート・オブ・グラス」です。ブロンディは人気の絶頂期の1982年にクリス・シュタインが白血病にかかり、デボラ・アン・ハリー(Deborah Ann Harry:1945-)はその看病に専念するために惜しまれつつバンドを解散しました。そんな献身的な人柄もデボラ・ハリーが愛された要因です。1998年にバンドを再結成後は主にイギリスで人気があります。

Pat Benatar – Heartbreaker Live 2001

1978年にデビューしたパット・ベネター(Pat Benatar:1953-)は、女性ロック・シンガーの先駆け的存在、グラミー賞を4回も受賞した実力派です。「ハート・ブレイカー」、カッコいいでしょ。歌詞も潔くて「粋」です。

Heartbreaker

Your love is like a tidal wave
Spinnin’ over my head
Drownin’ me in your promises
Better left unsaid

CHORUS:
You’re the right kind of sinner to release my inner fantasies
The invincible winner, and you know that you were born to be
You’re a heartbreaker, dreammaker,
Love-taker, don’t you mess around with me
You’re a heartbreaker, dreammaker,
Love-taker, don’t you mess around, no no no

Your love has set my soul on fire
Burnin’ outta control
You taught me the ways of desire
Now it’s takin’ its toll

CHORUS

CHORUS

You’re a heartbreaker, dreammaker,
love-taker, don’t you mess around with me
You’re a heartbreaker, dreammaker,
love-taker, heartbreaker!

Bananarama – Venus

Bananarama – Cruel Summer (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

1981年にデビューしたイギリスの女性3人組のポップ・グループ、バナナラマの「ヴィーナス」(Venus:1986)は、オランダのショキング・ブルー(The Shocking Blue)が1968年にリリースした大ヒット曲のカバーで、全米1位になりました。しかしまだ商業ベースのアイドルグループという存在でした。ちなみにショッキング・ブルーのリード・ボーカリスト、マリスカ・ヴェレス(Mariska Veres:1947-2006)は人種差別主義者でしたので嫌いです。

Kim Wilde – You Keep Me Hangin On 1988

1980年にデビューしたイギリスのキム・ワイルド(Kim Wilde:1960-)が1986年にカバーしたシュープリームスのヒット曲で、これも全米1位になりました。

Kim Carnes – Bette Davis Eyes 1981

キム・カーンズ(Kim Carnes:1945-)の1981年にグラミー賞の最優秀楽曲賞、最優秀レコード賞も受賞した大ヒット曲「ベティ・デイビスの瞳(Bette Davis Eyes)」、これは名曲です。キム・カーンズは60年代からフォーク・グループで歌っていたのですが、なかなかヒットに恵まれず、80年代に入ってから漸く優れた楽曲を得て成功を掴みました。ハスキーなキム・カーンズの声が素敵です。

HEART – Magic Man (1976)

Heart – Barracuda (1977)

ハートはアンとナンシーのウィルソン姉妹によるロック・デュオとそのグループ。2013年に「ロックの殿堂」入りしました。

go-go’s – we got the beat

1981年にメジャー・デビューしたゴーゴーズのファースト・アルバム「Beauty and the Beat」からのシングル・カットです。とにかく「Beauty and the Beat」のアルバム共に大ヒット、80年代初頭にニュー・ウェーブ・ミュージックの波に乗って大変人気がありました。このバンドのスタイルは日本でもコピーされていました。

The Bangles – Walk Like an Egyptian (Video Version)

The Bangles – Manic Monday

Bangles – Eternal Flame (Live 1989)

1980年にロサンゼルスでデビューしたバングルスです。1986年の「マニック・マンデー」、1987年のサイモン&ガーファンクルのカバー「冬の散歩道」(A Hazy Shade of Winter)は共に全米2位、その後1989年に「胸いっぱいの愛」(Eternal Flame、名曲!)で念願の全米・全英1位となりましたが、その直後にグループを解散しました。音楽性という意味では過少評価されてるバンドです。

The Runaways – Cherry Bomb

ランナウェイズはアメリカ本国よりも先に日本で大人気になったバンド。この日本公演は今では伝説的な評価を得ています。当時、メンバーの平均年齢16歳というティンエイジャーですが、このカルチャー・ショックは後の日本の音楽業界にも大きな影響を与えました。
で、この公演で注目されたのがクールでかっこいいギタリスト、ジョーン・ジェットでした。

Joan Jett – Cherry bomb

Joan Jett – Dirty Deeds Done Dirt Cheap (Video)

Joan Jett & The Blackhearts – I Hate Myself for Loving You (Video)

ジョーン・ジェットは元ランナウェイズのギタリスト兼ボーカリストです。今も変わらぬ、クールな女性ロックンローラーのお手本ような人です。彼女は2015年にロックの殿堂入りを果たしました。

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