ドン・マクレーンの「ヴィンセント(星降る夜)」1971年は、彼が展覧会で見たフィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh、1853.3.30 – 1890.7.29)の作品からインスピレーションを得て書かれた作品です。歌詞には脈絡なく作品のイメージが出てくることから戸惑う方人もいると思いますが、これはドン・マクレーンが受けた感銘の心象スケッチだと思って聴いてみてください。
尚、歌詞を意訳するにあたっては、極力平易にしてみました。先入観で鑑賞を妨げる、変に思い入れが強い訳としないためです。この曲からゴッホの純粋さを感じるか、狂気や偏執さ異質さを感じるかは人それぞれです。ドン・マクレーンにしても若さの特権であるナイーヴさゆえの独善的な感想を曲にしただけかもしれませんから。とは言ってもこの曲の美しいメロディラインと、絵画をモチーフとした曲作りの色彩感豊かな瑞々しい独創性は損なわれるものでないと思います。

↓ 歌詞注
※You took your life;あなたの命を懸けた:命を奪ったとも解釈できますが、ゴッホが自殺したのは日中の麦畑です。
※最後の歌詞の部分は、キリストの「ピエタ」像を描いた作品でしょうか?ある意味では自らの芸術に殉じたゴッホに重ね合わせたイメージでしょう。

Don Mclean – Vincent ソングライター: Don McLean :アルバム: American Pie

【Vincent (Starry, Starry Night) 歌詞】

Starry
Starry night
Paint your palette blue and grey
Look out on a summer’s day
With eyes that know the
Darkness in my soul.
Shadows on the hills
Sketch the trees and the daffodils
Catch the breeze and the winter chills
In colors on the snowy linen land.
And now I understand what you tried to say to me
How you suffered for your sanity
How you tried to set them free.
They would not listen
They did not know how
Perhaps they’ll listen now.

Starry
Starry night
Flaming flo’rs that brightly blaze
Swirling clouds in violet haze reflect in
Vincent’s eyes of China blue.
Colors changing hue
Morning fields of amber grain
Weathered faces lined in pain
Are soothed beneath the artist’s
Loving hand.
And now I understand what you tried to say to me
How you suffered for your sanity
How you tried to set them free.
Perhaps they’ll listen now.
For they could not love you
But still your love was true
And when no hope was left in sight on that starry
Starry night.
You took your life
As lovers often do;
But I could have told you
Vincent
This world was never
Meant for one
As beautiful as you.

Starry
Starry night
Portraits hung in empty halls
Frameless heads on nameless walls
With eyes
That watch the world and can’t forget.
Like the stranger that you’ve met
The ragged men in ragged clothes
The silver thorn of bloody rose
Lie crushed and broken
On the virgin snow.
And now I think I know what you tried to say to me
How you suffered for your sanity
How you tried to set them free.
They would not listen
They’re not
List’ning still
Perhaps they never will.

【ヴィンセント(星降る夜)意訳】

星降る
星降る夜
君はパレットをブルーとグレーに塗る
夏の日を見つめる
その眼は
私の心の闇を知っているのよう
スケッチするのは木々やスイセン
捉えるの揺らぐ風や冬の凍てつき
その色の中の雪覆う稜線
そう私には分かる、あなたが私に何を言おうとしたのか
どれほどあなたが正気であるために苦しんだことか
どれほど彼らを自由であらせようとしたことか
彼らは聴こうとはしなかったし
彼らは知るすべもなかった
でも、彼は今なら聴いてくれるだろう

星降る
星降る夜
眩く燃え上がる花々をフレーミングし
渦巻くもやそこにあるバイオレットの反射に
ヴィンセントの眼はチャイナブルーを見る
移りゆく色彩
朝の畑のアンバー色の穀物
苦痛によって風化したような顔々は
アーティストによって癒される
その生きた手によって
だから私には分かる、あなたが私に何を言おうとしたのか
どれほどあなたが正気であるために苦しんだことか
どれほど彼らを自由であらせようとしたことか
でも、彼は今なら聴いてくれるだろう
彼らがあなたを愛せなかったとしても
あなたの愛は本当だった
そして何も希望なく消え去った星降る
星降る夜
あなたはあなたの命を懸けた
まるで恋人たちがするように
でもわたしはあなたに言うことができる
ヴィンセント
この世界はそうではなかった
誰かのためのものではなかった
あなたのような美しい人にとっては

星降る
星降る夜
人気のないホールに掛けられた肖像画が
題名もなく名もない壁にある
その眼差し
それは世界を見つめ忘れることはできない
まるであなたが会ったことがある見知らぬ人のよう
みすぼらしい服を着たみすぼらしい男
血塗られた薔薇の銀の棘
押しつぶされ壊され
ヴァージンスノーに横たわる

だから私には分かる、あなたが私に何を言おうとしたのか
どれほどあなたが正気であるために苦しんだことか
どれほど彼らを自由であらせようとしたことか
彼らは聴こうとはしなかった
彼らはそうではなかった
いまでは聴いているかって?
多分彼らは決してそうはしないだろう

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