ウェイン・キング:Wayne King – Dream A Little Dream Of Me, 1931

スタンダードナンバー「わたしを夢見て」(Dream a Little Dream of Me)です。この曲は、オジー・ネルソン(リッキー・ネルソンのお父さん、スイング・ジャズの作曲家兼バンド・リーダー)楽団とウェイン・キング楽団が同じ時期にレコードリリースしましたが、ウェイン・キング楽団がバンドの持ち歌としたことで世の中に広まりました。
この頃は、1929年のウォール街での株価大暴落・世界恐慌の影響による「狂騒の20年代」ローリング・トゥエンティーズ (Roaring Twenties)の終焉の時期でですが、1931年のニューヨークのエンパイアステート・ビル完成などの一部明るい話題もありました。エアガール(スチュワーデス)が登場したのもこの年です。この曲は聞き流せば、ただのロマンチックなラブソングですが、バランスを失った時代を生きる人たちの不安感を癒す曲でもあったのです。その意味は歌詞を参照してみてください。出だしは甘いラブソング、ところがこの曲のメッセージ性を読み解くと印象が一変します。この曲タイトル「Dream A Little Dream Of Me」(夢、私のささやかの夢)にあるように、これは特定の女性ではなく「夢」(失った希望と言ってもいいかもしれませんが)そのものについて歌っていると考えると「不安なことがあっても良くなるまで、あなたに陽の光が当たる日までよそ見しないで頑張ってね。」というこの曲のメッセージが読み取れるでしょうか。(ちょっと深読み過ぎ?)

Ella Fitzgerald & Louis Armstrong – Dream A Little Dream Of Me
エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロング、この歌のカバーでは一番有名でしょうか。
エラ・フィッツジェラルドなどがカバーしてからは女性が歌う歌として定着していました(意訳は女性用)。

【Dream A Little Dream Of Me 歌詞】
(Lyrics: Gus Kahn, Music: Fabian Andre/Wilbur Schwandt)

Stars shining bright above you, night breezes seem to whisper, “I love you”.
Birds singing in the sycamore tree, “Dream a little dream of me”.
Say “nighty-night” and kiss me. Just hold me tight and tell me you’ll miss me.
While I’m alone and blue as can be, dream a little dream of me.

Stars fading, but I linger on, dear.
Still craving your kiss, I’m longing to linger till dawn, dear.
Just saying this: Sweet dreams till sunbeams find you.
Sweet dreams that leave all worries behind you.
But in your dreams whatever they be, dream a little dream of me.

Stars fading, but I linger on, dear.
Still craving your kiss, I’m longing to linger till dawn, dear.
Just saying this: Sweet dreams till sunbeams find you.
Sweet dreams that leave all worries behind you.
But in your dreams whatever they be, dream a little dream of me.

(意訳)

星はあなたの上で明るく輝き、夜のそよ風はささやくよう、”あなたを愛しています”と
鳥たちはプラタナスの木で歌うよ、”夢見てね、少しは私の夢を”と。
“おやすみ”と言ってよ、そしてキスして。ただ私を抱きしめて、想ってほしいの。
私が独り淋しくしていたら、夢見てね、少しは私の夢を。

星たちが消えて、でも待ち続けるわ、あなた。
あなたのキスを望みながら、私は夜明けまで待ち焦がれるわ、あなた。
言えばこんなかしら:陽の光があなたを見つけるまでの甘い夢。
あなたの背ろにすべての不安を追いやってくれる甘い夢。
あなたの夢の中に誰がいようとも、夢見てね、少しは私の夢を。

星たちが消えて、でも待ち続けるわ、あなた。
あなたのキスを望みながら、私は夜明けまで待ち焦がれるわ、あなた。
言えばこんなかしら:陽の光があなたを見つけるまでの甘い夢。
あなたの背ろにすべての不安を追いやってくれる甘い夢。
あなたの夢の中に誰がいようとも、夢見てね、少しは私の夢を。

ドリス・デイ:Doris Day – Dream A Little Dream of Me 1957
ドリス・デイのロマンチックなカバーで、ジャズから、より幅広い意味でのポピュラーのスタンダードへ変わったと思います。

ビューティフル・サウス:The Beautiful South – Dream A Little Dream
ビューティフル・サウスがカバーしたので、パロディかと思っていたら、結構まともでした。メグ・ライアン主演のロマンティック・コメディ映画「フレンチ・キス」(French Kiss:1995)の映像からか、往年の映画や映画スターへのトォリビュートのイメージが付与されたようです。日本語Wikipediaに、これがエンゾ・エンゾ(Enzo Enzo 1960年-)の「夢の中の愛」(この邦題は誤訳?)のカバーなんて書いてあるのは、もちろん誤りです。

その他、こんなアーティストも歌っています。
ママス&パパスもカバーしていました。グループ解散後も(ママ)キャス・エリオットが歌い継ぎ、彼女自身の代表曲にもなりました。
マイケル・ブーブレがカバーして、男性が歌う歌に復権(?)しました。

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